生理前に痛くなる腰痛を改善する方法

生理による腰痛PMS(月経前症候群)

女性を悩ませる腰痛症状の一つに、「生理前に痛くなる」というものがあります。

腰の痛みは腰が悪くて痛くなっていると思われがちですが、実は女性の腰痛の場合は、PMSと言われる月経前の身体症状が深く関わっている事が多いのです。

これらの症状の場合、通常の腰痛とは対処の仕方が変わってきますので、今回は生理前に痛くなる腰痛について、改善法を紹介していこうと思います。

なぜ生理前に腰痛が酷くなるの?

生理前に酷くなる腰痛には、主にプロスタグランジンという生理時に分泌される物質が大きく影響しています。

プロスタグランジンには、子宮を収縮させる事で剥がれた子宮内膜を経血として体外に排出させる働きがあるのですが、何らかの要因でプロスタグランジンが過剰に分泌されてしまうと、子宮を強く収縮させてしまうため、神経の反射などを介して、腰に痛みを引き起こします。

もともと生理痛が少なかったり、腰に歪みのないような方は痛みも出づらい場合が多いですが、PMS(月経前症候群)のように生理前の症状が強かったり、腰椎が歪んでいるような方は、強い痛みを感じます。

こんな人は要注意

生理前に腰が痛みやすい方には特徴がありますので、いくつか挙げてみたいと思います。

足首やお腹が冷えている

足首やお腹が冷えてしまうと、自律神経を乱す事に繋がったり、子宮の働きに悪影響を与えるため、注意が必要です。

女性の方は結構冷え性が多いのですが、生理前に腰痛が出るような方は、本人の自覚あるなしに限らず、腰や仙骨周りが冷えていたりしますので、自分で触って確認してみてください。

また、足首周りには婦人科疾患に関係するツボも多いため、冷えていると合わせて悪影響を与えることになります。

生活リズムが乱れている

生活のリズムが乱れている方は、自律神経のバランスが崩れるため、生理前の症状を強めてしまう場合があります。

特に看護師さんや介護士さんなど、夜勤があって夜働くような方は、慣れていると言っても自律神経は乱れやすくなりますので、注意が必要です。

また、10代や20代の方に多いのは、夜更かしをして乱しているパターンですので、起きていたい気持ちもわかりますが、をつける必要があります。

腰や骨盤が歪んでいる

腰や骨盤が歪んでいると、背骨から内臓に向かう神経が緊張してしまったり、内蔵の位置もズレるため、子宮を余計に収縮させてしまい、痛みを酷くしてしまう場合があります。

だいたい生理前の症状が酷い方は骨盤周りの状態も悪いのですが、元々腰痛を抱えていたり、歪みが気にある方は要注意です。

生理前に不安や心配が強い

これはその人の性格や気質による部分も大きいのですが、生理に対して不安や心配が強い方も、腰痛を酷くさせてしまう恐れがありますので、注意してください。

具体的にどういう事かというと、生理に対して不安や心配が強い方は、生理前に必ず「また辛くなったら嫌だな…」という負のイメージを持ちます。

これが一回くらいならたいした事ないのですが、何度もこういう心配が頭をよぎると、まるで生理が酷くなって、腰痛も辛くなるシミュレーションをずっと脳内で行っている状態ですので、イメージトレーニングしているかの如く、生理痛や腰痛を感じる神経を強化させてしまいます。

生理前に痛くなる腰痛を改善するには?

症状改善に役立ちそうな事を、6個ほど挙げてみましたので参考にしてみてください。

仙骨や足首を温めよう

先程冷えの話を出しましたが、仙骨や足首を温めると、体が芯から温まり、腰や子宮を緩める事につながりますのでオススメです。

特に、仙骨は子宮の働きに直接影響を与えますし、足首も婦人科系疾患に深く関わる三陰交というツボがあったりしますので、体が冷えている方は試してみてください。

三陰交


内側のくるぶしから指4本分上がった所で、すねの骨の際辺りに取る。

腰や骨盤の歪みを整える

骨盤調整

生理に関係する腰痛といっても、やはり症状を改善するには、腰や骨盤の歪みを整えておくことが大切です。

歪みが整っていれば、子宮からの緊張が腰に伝わっても、腰自体には問題がないため、影響が限定的になり、症状が抑えられる場合があります。

また、骨盤が良い状態であれば、体の機能が正常に働きやすくなるため、生理痛自体も抑える事につながり、結果として腰痛の改善につながります。

生理→子宮収縮→腰痛→ストレス→子宮収縮→腰痛…
という負のループを回らずに済む。

自律神経を整える

PMS(月経前症候群)に対する8つの対策」でも紹介しましたが、PMSに関連した症状を改善させるためには、やはり自律神経を整える事が大切です。

当院では、仙骨や頭蓋骨の歪み(副交感神経に深く関係)や、経絡等を整える事で自律神経の乱れを改善させて行きますが、人によっては生活習慣が深く影響している場合もありますので、ご自身でも生活の乱れは気をつけてもらう必要があります。

また、自律神経はストレスによっても乱れが生じるため、心理的な問題が表面に出ている場合は、心理的なアプローチも用います。

心理的な余裕を持とう

仕事や学校が忙しくて余裕がなかったり、ストレスを抱えていると、自律神経が乱れやすく、生理前の症状も強くなると言われています。

症状を改善させる為には、心と体にゆとりを持たせてあげる事が必要ですので、ストレス解消法を試してみたり、カウンセリングなどを受ける事も必要です。

施術の場面では、心理面と体の問題がリンクしている部分にアプローチする必要があるため、もしこれらが気になる場合は、ご相談頂ければと思います。

座り過ぎに気をつける

座りすぎ

座り仕事の方には特に注意してもらいたいのですが、長時間同じ姿勢で座っていると、腰椎が固着したり、歪みが生じてくるため、腰痛が悪化する場合があります。

これらは構造的な問題で痛みが出ている時には必ず抑えておかなければいけないポイントですが、PMSと関連した腰痛でも、座り過ぎはNGです。

じっとしていればしているほど症状は悪化しやすくなりますので、少しでも動ける状態なら、こまめに立ち上がって、少し歩いてあげてください。

生活習慣を整える

生活習慣の乱れは、生理前の腰痛に直結します。

睡眠不足になっている方や昼夜が逆転している方、適度な運動をせず暴飲暴食を繰り返している方などは、あらゆる角度から体を乱れさせていますので、生理前の症状も酷くなりやすく、腰痛も強くなります。

慣れ親しんだリズムを変えるのは簡単な事ではありませんが、生活習慣が乱れすぎている場合は、どんなに良い改善法を用いても再び症状を悪化させてしまいますので、注意が必要です。

まとめ

生理前に痛みが酷くなる腰痛は、PMS(月経困難症)と言われる生理前の身体症状が深く関係しています。何らかの要因でプロスタグランジンが過剰に分泌されてしまうと、子宮が強く収縮するため、それに伴い、腰痛も強くなります。

症状を改善させるためには、体の構造的な歪みを取る事と、自律神経を整える事が重要ですので、症状で悩まれている方は、一度当院にご相談頂ければと思います。

また、心理的ストレスを減らし、生活習慣を正す事も大切ですので、日頃の生活を見直すのも、症状の改善には必要です。