ぎっくり腰はある日突然襲ってくるので、事前に対処するのが難しく、起きてしまったら仕方ない。と諦めてはいないでしょうか?
確かにぎっくり腰は急に起こるものなのですが、症状がなくても、実はちゃんと「前兆や予兆」が出ているのです。
多くの方はこれらのサインを見逃しているので、何度も症状を繰り返してしまうのですが、前兆が出た時にしっかり対応しておけば、ある程度未然に防ぐことが出来ます。
知っているのと知らないのとでは大きな違いですので、今回はぎっくり腰の前兆・予兆になりそうなサインを、いくつか紹介しようと思います。
ぎっくり腰の前兆・予兆って?
下記に挙げたものが全てではありませんが、比較的自分で確認しやすいものを選んでみました。ご自身の体と当てはめながら参考にしてみてください。
腰に違和感がある
腰が抜けそうだったり、引っ掛かる感じがあると、腰の関節がうまく動いていない可能性がありますので、ぎっくり腰になりやすい状態だと言えます。
特に、腰の下の方は椎間関節性のぎっくり腰が起こりやすい部分なので、腰の下の方に違和感を感じているなら、要注意です。
これらは痛みがなくてもかなり関節が悪い状態ですので、放置していると、ふとした瞬間に酷いぎっくり腰を引き起こします。
腰を曲げたり反ったりしづらい
腰を曲げたり反ったりした時に、体を動かしづらいと感じるなら、関節をうまく可動させる事が出来なくなっていますので、ぎっくり腰を引き起こす可能性があります。
腰を動かしづらくなる原因としては、腰椎の固着と、骨盤から大腿部の筋肉、筋膜の緊張が考えられます。
これらに問題が起きていると、体を動かす時に無理な力がかかってしまいますので、構造的に最も負担のかかる部分を痛めます。
大腿部(ふともも)の筋肉が張る
大腿部の筋肉が張りやすいという事は、骨盤のバランスが崩れ、腰に歪みが出ている可能性があります。
特に、腰の4・5間の椎間関節や腰仙関節(腰の5番めの骨と、仙骨の間の関節)が固くなっていると、足の方に行く神経が緊張しますので、大腿部の筋肉は硬くなりやすいです。
この状態が長く続けば、腰を動かすたびに腰椎に負担をかけますので、体が耐えられなくなった時に、強い症状を引き起こします。
大腿前面の筋肉は腰を反らす時に、大腿後面の筋肉は体を前に曲げる時に、それぞれ腰に負担をかけます。
また、大腿部の外側にある腸脛靭帯が固くなると、骨盤周りの筋膜を引っ張るので、下の方にぎっくり腰を引き起こします。
同じ姿勢を続けられない
通常、体に柔軟性があると、少し同じ姿勢を取ったとしても、負担を全身でさばくことが出来るので、疲れはしますが「同じ姿勢を続けられない」という事はありません。
もし、痛みや張りが出て立っている状態や座っている状態が続けられないなら、体が歪み、柔軟性がなくなっている状態ですので、ちょっとした動きでも腰に深刻なダメージを与えます。
いつぎっくり腰が起きても不思議ではない状態ですので、当てはまる人は要注意です。
歩く時に足が上がりづらい
「以前より足が上がりづらい」と感じるなら、すでに腰や股関節周りには、問題が起きている場合があります。
特に、足がうまく上がらない時は、腰の関節に歪みが生じ、股関節が固くなり、臀部の筋肉が張っている可能性があります。
股関節の固さは、いずれ腰の固さにもつながってきますので、ぎっくり腰を引き起こしやす状態が整っていると言えます。
背骨全体が固い
背骨は一つ一つの関節がスムーズに可動することと、S字の傾きを作ることによって、体に掛かる負担を柔軟にさばく事ができます。
もし、背骨全体が固くなっていると、背骨は一本の棒のようになってしまいますので、体を動かす時に、構造が変わる仙骨と腰椎5番との間に強い負担がかかり、ぎっくり腰を引き起こします。
また、それだけ固いと言うことは、S字が崩れ、歪みも起こっていますので、上半身の重さを腰椎の下の方だけで支えなければいけませんので、当然無理が出て腰を痛めます。
前兆が出ていたらどうすればいいの?
ここでは、腰痛の前兆が出ていた時にどうすればいいのか見ていきましょう。
専門家に体をみてもらう
上記のような前兆が出ていたら、放置は厳禁ですので、まずは専門家に体を見てもらってください。
当院としては、体をしっかり分析し、アプローチ出来る方法として「オステオパシー」を行っている治療院をオススメしているのですが、普段通い慣れている治療院がある方は、まずはそちらにご相談してみるのも大切です。
また、当院のホームページでも「腰痛の正しい対処法と治し方を6つのステップで解説」で腰痛の対応をまとめてありますので、合わせて参考にして頂けると良いと思います。
ウォーキングをしよう
これは「腰痛を予防するための効果的な運動法」でも述べましたが、ウォーキングには、筋肉が固くなるのを防ぎ、関節を柔らかくしてくれる効果があります。
「ぎっくり腰の予兆が出ているのに運動して大丈夫なの?」と心配の方もいるかもしれませんが、ウォーキングで体にダメージが及ぶようでしたら、日常生活ですでに問題が起きているはずですし、どのみち専門家に見てもらわないといけない状態です。
そうでない方の場合は、体を使わないで安静にしていると、どんどん関節が固まり、余計危険な状態になってしまいますので、注意が必要です。
まとめ
ぎっくり腰は、前兆が現れた時にしっかりと対応しておけば、ある程度未然に防ぐことが出来ます。
まずは今回挙げた症状を頭に入れてもらい、少しでも異常を感じたら、専門家に見てもらってください。
個人でもある程度出来ることはありますが、予防するためには体全体を見る必要があります。全てを対応するには無理がありますので、酷くなる前に相談してみてください。