柔軟なダンサーやヨガインストラクターでも腰痛になる理由

腰痛

ダンサーやヨガインストラクターというと、身体能力が高く、柔軟性にも優れているため、体の負担を捌きやすく、一見すると腰痛とは無縁の世界にいそうな気がします。

しかし、いくら素晴らしい柔軟性と質の良い筋肉を持っていても、一定数の方は、実は腰痛を抱えていたりするのです。

体が柔らかければそういった問題も改善されるものじゃないの?と思っている方もいるかと思いますので、今回はダンサーやヨガインストラクターでも腰痛になる理由について書いていこうと思います。

柔軟性が高くても腰痛になる理由って?

では、何故高い柔軟性を持っていながら、彼ら彼女達は腰痛になってしまうのでしょうか。そこにはこんな理由が関係していたのです。

良い所と悪い所のギャップが大きい

人間の場合、全身が均等に硬かったり柔らかかったりする分には、あまり症状を感じない場合が多いですが、固い所と柔らかい所のギャップが出てしまうと、途端に異常を感じ取るセンサーが働いてしまうため、患部に痛みや違和感を感じます。

特に、元々柔軟性に優れている方の場合、何かの拍子で体の一部に負担が強くかかってしまうと、緊張した部分と柔らかい部分の差が強くでしまうため、腰痛を引き起こしやすくなる場合があります。

通常であれば、持ち前の高い柔軟性でこれらの負担も許容してくれたりするのですが、バランスの乱れと複雑な動きによる肉体への負担が許容量を越えてしまうと、症状は現れやすくなってしまいます。

バランスが崩れている

全身をまんべんなく使ったり、偏りのない動作を行っていればあまり問題は起きませんが、偏った動作を繰り返していたり、特定の場所に負担がかかるような動きを行っていると、バランスを崩し、腰痛を引き起こす場合があります。

特によく見るパターンとしては、片側に重心がかかった事で片方の腸脛靭帯が緊張し、それによって骨盤・腰椎がねじれ、ねじれた状態でいることでさらに腰椎が固着したパターンです。

歪み方によって症状は違いますが、反る時に痛みが出てしまったり、前にかがめないような方もいます。

身体感覚が過敏になりすぎている

ダンサーのように繊細で複雑な動きを行ったり、ヨガインストラクターのように自分の体と向き合う作業は、身体感覚を研ぎ澄ます事につながります。

これらは、職業上絶対に必要な事だと思いますが、その感覚の鋭さゆえ、普通の方が異常と感じないレベルの変化でも、違和感として捉えてしまう場合があります。

体のバランスが完全に取れている状態であれば、あまり問題にはならないかもしれませんが、一旦バランスが崩れてしまうと、鋭い感覚センサーが働いてしまうため、人より低い閾値で違和感に気づいてしまいます。

また、それだけ身体感覚が鋭いということは、その分自分の感覚に注意が向きやすいと言うことにもつながります。

最近の研究で、腰痛と脳の神経回路の関係性が解明されつつありますが、違和感を感じ、患部を必要以上に気にしてしまうと、その不安や心配がDLPFCの働きを弱めてしまいますので、結果として症状を治りづらくさせてしまうのです。

DLPFC(背外側前頭前野)とは、脳にある前頭前野の一部で、判断、意欲、興味をつかさどったり、短期記憶やワーキングメモリにも関係があると言われています。

大脳の司令塔とも呼ばれている部分で、痛みの回路に対して興奮を鎮めるよう指示しますので、ここの機能が低下してしまうと、痛みが長引いてしまうのです。 DLPFCとは?|新常識!腰痛の原因はもしかしたら脳かもしれない

改善させるためにはどうすればいいの?

これらの問題を改善させるためには、構造的な問題を取り除く事に加えて、やはり「バランスを取る」というのが重要なポイントだと思います。

バランスの取り方も、単に左右の固さを同じにするというレベルの話ではなく、全身の構造的な関係性はどうなのか、心理面はどうなのか、エネルギー的な部分ではどうなのかなど、その人全体を見て、バランスを取っていく必要があります。

中には、長いことを体を使う職業をしていた代償で、深部感覚や位置感覚にズレが生じてしまっている方もいます。

それらの方の場合は、エーテル体という微細なエネルギー領域に働きかける必要がありますので、構造だけで見るのではなく、広い視野で問題にアプローチして行く必要があります。