心因性腰痛の治し方

心因性腰痛腰痛

腰痛の中には、心因性腰痛と呼ばれるストレスや不安などが関係しているものがあります。

ただの腰痛かな?と思っていても、実は心理的な問題が関係している事も多々ありますので、今回はその事について解説したいと思います。

心因性腰痛とは?

それでは、まずは心因性腰痛とはどのようなものなのか見ていきたいと思います。

心因性腰痛とは、心理的な問題によって、腰痛の症状が引き起こされているものをいいます。

心因性腰痛とは、心の問題によって腰痛の痛みがひどくなっている状態です。
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みなさんも、何か強いストレスを抱えていたり、自分の気持が落ちている時に、体のつらさを感じたり、より症状が強くなってしまった経験はないでしょうか?

もしこのような状態になっていたら、心理的な問題が関係しているかもしれません。

心理的な問題が絡んでしまうと、何ヶ月も症状が治らなかったり、慢性的な痛みを抱えやすくなってしまうので、特に現代人は注意しなければならないのです。

なぜストレスが腰痛に関係するの?

ストレスと腰痛の関係については、脳の中の神経伝達について見ていく必要があります。

人間は、体に痛みを感じると、その信号が神経を通って脳に伝わります。

脳に痛みが伝わると、ドーパミンという神経伝達物質が放出されるのですが、これによってさまざまな物質が放出され、痛みを抑えるという機能が働きます。

ストレスを抱えていると、このドーパミンが放出されづらくなってしまうため、痛みの抑制機能が働きづらくなってしまうのです。

痛みが抑制されなければ、当然いつまでも腰に痛みを感じてしまいますので、慢性的な腰痛につながります。

また、これは「腰痛の原因は脳かもしれない」でも解説した部分ですが、ストレスによって不安や恐怖といった感情が強くなると、脳の中のDLPFCと呼ばれる部分の働きが鈍くなります。

DLPFCは、痛みの回路を鎮静化させる働きがありますので、ここの機能が鈍くなってしまうと、当然痛みを長く感じてしまうのです。

心因性腰痛の特徴とは?

それでは、実際に心因性腰痛の特徴について紹介したいと思います。

よくあるものとしては、以下のようなものがあります。

  • 腰痛の原因がよくわからない
  • 何ヶ月も腰痛が治らない
  • じっとしてても腰が痛い
  • 常に腰が痛いように感じる

などなど。

現代人の場合、腰痛原因がはっきりしない事も多いのですが、原因がよくわからない方も、心因性腰痛の可能性があります。

また、筋肉や関節の問題がメインであれば、何ヶ月も腰痛が治らなかったり、じっとしてても痛い、常に腰が痛いという事はありません。

これらの特徴がある時は、構造的な問題ではありませんので、心理的な問題から引き起こされている可能性が高いです。

心因性腰痛の治し方

心因性腰痛を改善させるためには、主に3つのステップが必要になります。

1.心の問題と体の問題を区別しよう

心因性腰痛の場合、まず最初にやるべき事は、心の問題と体の問題とを、しっかりと区別する事です。

心の問題と体の問題の区別ってどういうこと?と思っている方もいると思うので、具体例を出して解説したいと思います。

例)「腰が痛くて動けない」という腰痛

このような腰痛をお持ちの場合に、実際に体を動かすと、心理的な問題と構造的な問題の違いが見えてきます。

腰を動かそうとしてみて、動かしてみたら痛かったという方は、構造的な問題がメインです。

ですが、腰を動かそうとすると、痛くなりそうで動けないという方は、心理的な問題がメインなのです。

一見たいした違いには思えないかもしれませんが、実は分析していくと、全く別の問題だったりするのです。

心因性腰痛の場合は、特にこの辺がごちゃごちゃしていますので、注意しないといけません。

症状によっては、その方の抱えている問題が改善されなければ、変化が出づらいものもあります。

ですが、しっかりと症状を分析したり、正しい知識を得るだけでも、変えられる部分はあるのです。

2.体の状態を改善しよう

体の状態を改善させるためには、まずはどこに問題があるのかを、正確に把握する必要があります。

よく腰痛に関係する部分としては、以下のようなものがあります。

  • 腰・下半身の筋肉や筋膜
  • 腰椎の椎間関節
  • 腰回りの神経や靭帯
  • 内蔵まわりの間膜

などなど。

筋肉などの簡単な問題であれば、個人の方でも対応可能ですが、心因性腰痛の場合は、症状が複雑になっている可能性があります。

もし自分でいろいろ試してみても症状が改善しないなら、まずは専門家にご相談する事をオススメします。

心理的な問題を改善しよう

心理的な問題の改善というと、ストレスをゼロにしなきゃいけないのかな?と思うかもしれませんが、そういうわけではありません。

今抱えているストレスに対して、自分の捉え方が変化したり、少し心にゆとりができるだけでも、心因性腰痛には大きなプラスとなります。

そのため、まずはこのゆとりをいかに作れるかがポイントなのです。

自分なりのストレス解消法がある方は、それを実践するのでも良いですし、今の状況にハマって抜け出せないなら、心理療法やカウンセリングなどを受けるのも一つの手です。

人によっては、自身の抱えている問題と、腰痛とが強く結びついてしまっている場合もありますが、正しい知識を身につけ、問題をしっかり区別する事で、症状は改善されていくと思います。

まとめ

今回は心因性腰痛についてまとめてみました。

心因性腰痛の難しさは、心理的な問題と構造的な問題とが、相互に悪さをしている点です。

どちらかだけにアプローチしても、もう一方が改善されなければいずれまた腰痛を引き起こしてしまいますので、心身両方の視点から、体を良くしてあげる必要があります。

当院では、手技療法や心理療法を組み合わせて施術を行っておりますので、症状でお困りの場合はお気軽にご相談ください。