何かの病気?手が固まる原因と対処法とは?

手腕が固まるフォーカルジストニア

「手が固まって動かしづらい」、あなたはそんな経験ありませんか?

初めはちょっとした違和感だったので、「まあ大丈夫かな?」と思っていても、次第に酷くなる手を見ていると、心配になってしまいますよね。

実際、手が固まったように感じる原因は「どのような場面で起こるか」によって違ってきますので、今回は場面ごとの原因と対処法をまとめてみました。

※急速に症状が悪化している方や、手が全く動かせなくなっているような場合は、すぐに病院へ行ってください。

手が固まってしまう原因と対処法

手の使いすぎで固まった場合

手の使いすぎで固まってしまった場合は、主に関節の歪みや固さと、筋膜の緊張が原因になっている可能性があります。

手を使いすぎると筋膜という筋肉を包んでいる膜が緊張するのですが、この膜は体を包んでいるタイツのようなものですので、緊張してしまうと手を動かす時に動きの邪魔をしてしまい、「手が固まった」ように感じる場合があるのです。

また、手にかかる負担は関節に歪みを生じさせますので、靭帯や関節包などが固まってしまった場合も、動かしづらさを感じる事があります。

筋膜の緊張や関節の問題は、適切に対処すれば自ずと症状は改善されると思いますので、心配な方はご相談いただければと思います。

※人によっては腱鞘炎やばね指などの症状により、手が固まって感じる場合もあります。

捻挫や骨折後の固定で固まった場合

捻挫や骨折をした時に腕を長期間固定していると、動く必要のなくなった関節が固まり始めるため、「拘縮」と呼ばれる状態を引き起こします。

拘縮は軟部組織が変化して縮んでしまうことで起こりますが、手を固定している間はなかなか関節を動かすことができないため、ギプスを外した時に手が動かない状態になっているのです。

軟部組織とは皮膚、皮下組織、筋膜、靭帯、腱、関節包など、骨を除いた支持組織の事。

拘縮の対処法としては、手を固定している時から痛めていない関節を動かしたり、リハビリや手技療法によって、関節の可動域を改善させてあげる必要があります。

楽器の演奏や何か特定の場面で手が固まる場合

楽器の演奏中や何か特定の場面で手が固まってしまう場合は、心理的なトラウマやフォーカルジストニアによって、手がうまくコントロール出来なくなっている可能性があります。

心理的なトラウマで言えば、過去に辛い体験をした事があると、似たような場面が訪れた時に、再度辛い思いをしないようにするために、体が防御反応を起こす事で手が固まってしまうのです。

これは心理領域で扱われている大きいトラウマだけなく、ちょっとした心理問題からも引き起こされます。

本人的には体を動かそうとしていても、無意識がそれを止めている状態ですので、まるでブレーキを踏みながらアクセルを踏んでいる車のように、体に大きな負担をかけてしまいます。

症状が強いものでしたら、専門的なアプローチが必要になってきますので、プロによるカウンセリングが必要です。

音楽家の方だったら、演奏中にミスをしてしまった事や、うまく弾けない時に先生や親から厳しく怒られたら体験が元になっている事も。

また、フォーカルジストニアの場合は、脳の中の神経伝達系に異常が生じるため、筋肉が不随意に収縮してしまい、手が固まってしまうという現象が引き起こされます。

フォーカルジストニアの場合は、病院での治療やリハビリ分野でのアプローチが必要になりますので、こちらのページを参考にしてみてください。

参照:フォーカルジストニアの原因と治療(リハビリ)について

朝固まる場合

朝手が固まってしまう場合は、関節が変形しているか、関節リウマチによる影響が考えられます。

関節の変形は、基本的には高齢の方によく起こるもので、年齢と共に関節が変形してくるため、スムーズに動かす事が出来なくなり、人によっては「手が固まった」と訴えるのです。

また、高齢の方以外でも、手を酷使する仕事をしている方は、疲労により手の筋肉や関節が固まってしまい、朝辛く感じる場合もあります。

関節リウマチの場合は、目安となる指標がありますので、もし自分がこれらに該当していたら、専門のお医者さんに診てもらう事をオススメします。

参照:関節リウマチと診断するための基準 | 診察を受ける | リウマチeネット

脳卒中や脊髄損傷の後に見られる場合

脳卒中や脊髄損傷後に見られる手の固まりは、痙縮や拘縮と呼ばれるものの可能性があります。

痙縮の場合は、脳や脊髄の病気によって、筋肉を縮める命令と緩める命令とのバランスが崩れる事で引き起こされます。

この時筋肉を緩める命令が弱くなってしまうと、筋肉を縮める命令だけが体に伝わってしまうため、筋肉が収縮し、手が固まったように感じるのです。

拘縮の場合は、上記でも書いたように関節を動かさなかった事によって、軟部組織が変化して引き起こされます。

どちらもしっかりと対処していく必要がありますので、リハビリによるアプローチが必要です。