ダウンドッグで膝が伸びない。踵がつかない原因とは?

ダウンドッグで膝が伸びない ヨガ

ヨガの代表的なポーズに、「ダウンドッグ」と呼ばれるものがあります。

床に手を付き、よつん這いの状態からお尻を天井へ突き上げるように行うこのポーズですが、あなたはこのポーズ。しっかりと出来ているでしょうか?

私自身ヨガの知識はまったくないのですが、患者さんの中で「ダウンドッグがやりづらい」という方がいましたので、今回は施術者からみた、 ダウンドッグで膝が伸びない、踵が着かない原因を解説していこうと思います。

ダウンドッグとは?

ダウンドッグは「下を向いた犬のポーズ」と言われるもので、ヨガを行っている方なら何度も遭遇する代表的なポーズです。

肩から背中、足と全身を大きく動かすため、体のストレッチ効果が高く、新陳代謝や血液循環を促してくれる作用もあるそうです。

ヨガのダウンドッグのポーズは、サンスクリット語で「アド・ムカ・シュヴァナーサナ」と呼ばれているものです。
背中から全身の骨盤に対して働きかけることが出来るポーズとなっているため、効果的に取り入れることで、全身の安定感を獲得することが出来ます。

ヨガをやっている方に言わせると、「ポーズとポーズの間の休憩みたいなものですよ」という事らしいのですが、初心者で体の固い人からすると、とても休憩とは思えないのは確かです。

実際私もヨガでダウンドッグをやった経験があるのですが、とてもじゃないけど休憩できるような時間ではなく、ただただ足が痛かったのを覚えています笑

※たぶんちゃんとできるようになると、とても心地よいポーズなのだと思います。

ダウンドッグで膝が伸びない、踵が着かない原因とは?

それでは、ここからダウンドッグで膝が伸びない、踵が着かない原因を見ていこうと思います。

ハムストリングスや腓腹筋が固い

膝裏が伸びない、踵が着かない1番の原因は、このハムストリングスと腓腹筋の固さです。

ダウンドッグを行う際は、お尻を天井の方へ突き上げると思うのですが、この動作を行うと背面の筋膜が伸びてきますので、下肢の裏側に対する伸張力が増してきます。

普段は特に問題を感じていなくても、ダウンドッグのように全身の柔軟性が求められる場合は、体が余計に引き伸ばされますので、「膝が伸びない」「踵が着かない」という現象が起こるのです。

体重を手の方にかけたり、背中を丸めてしまえばそんなに負担はないですが、ポーズとしてはお尻を突き上げ、背中をまっすぐ伸ばす必要があります。

背中を伸ばせばその分上半身で筋膜が引き伸ばされますので、ハムストリングスやふくらはぎなどに、強い伸張力がかかってくるのです。

実際これらの筋肉が固くなる要因はいろいろあるのですが、ハムストリングスや腓腹筋を緩める場合は、ストレッチなどで良いと思います。

ですが、なかなか筋膜が緩まなかったり、固くなった原因が腰や股関節の問題から来ている場合は、プロにおまかせした方が良いと思います。

中臀筋が緊張している

中臀筋は立ち仕事の方がよく緊張しやすいのですが、足を外側に開いたり、骨盤を安定化させる働きがあります。

ここが緊張してしまうと、臀部が骨盤を引っ張る形になりますので、腰や股関節を曲げる際に、後面の筋膜が突っ張る事になります。

突っ張った筋膜は、そのまま足の筋膜を引っ張りますので、その分もも裏やふくらはぎに負担が増えてしまい、膝が伸びなかったり、踵が地面に着かないと言った状態になるのです。

中臀筋もストレッチなどで筋肉を緩めることができますが、伸びが悪い場合は、テニスボールなどを使って、直接刺激した方が良い場合もあります。

足裏が緊張している

足裏の緊張はあまり意識した事がないかもしれませんが、実は足裏とアキレス腱は筋膜上でつながっています。

そのため、ここが緊張してしまうと、ふくらはぎまで連動して固くなってしまうので、踵や膝の症状につながる場合があるのです。

ただし、単独で足裏だけ固くなると言う事はあまりありませんので、足底の筋膜になんらかの問題あったら、だいたい別の場所も悪くなっています。

腰や骨盤を含め、下肢全体で見ていく必要がありますので、ここが固くなっていたら、プロにお任せしたほうが良いと思います。

腰椎が歪んでいる

腰椎の歪みは、坐骨神経を緊張させる恐れがあります。

坐骨神経が緊張してしまうと、その緊張が筋膜にも悪影響を及ぼしますので、ダウンドッグを行った際に、膝が伸びないという事が起こるのです。

例えば、ハムストリングスが固いからと言って、ずっと同じ部分だけをストレッチしていても、ある一定の所から体が変化しなくなる場合があります。

このような場合は、もも裏の筋膜の問題ではなく、他の部分が固かったり、腰椎が歪んでいて、坐骨神経が緊張する事で間接的に筋膜が固くなっている可能性があります。

坐骨神経が緊張している

これは上記でも書きましたが、坐骨神経が緊張していると、筋膜に悪影響を及ぼします。

神経の走行が腰から臀部を出てももの裏、膝裏、ふくらはぎ、足と、下半身をひと通り通過しますので、ここに問題が起きてしまうと、広い範囲で筋膜が緊張するため、膝が伸びづらくなったり、踵が床につきづらくなったりするのです。

また、もも裏を伸ばした時に感じるあの独特の痛みは、神経が引き伸ばされたことによっても起こります。

神経に柔軟性がなければ、ダウンドッグをした際に神経が刺激されてしまいますので、あのやな感じが出てしまうのです。

骨盤が後傾している

ダウンドッグをする際は、ある程度骨盤を前傾させる必要があるのですが、骨盤の前傾に伴い、下肢後面の筋膜は引き伸ばされる事になります。

引き伸ばされるだけであれば特に問題はないのですが、骨盤が後傾している方は、基本的にハムストリングスなどが緊張している場合が多いので、余計に筋膜が引っ張られる事になってしまい、膝が伸びない、踵が着かない。という状況になるのです。

ダウンドッグのお尻を突き上げ、背中を丸めないようにする動作も、これらの緊張を強くする要因だと思います。

骨盤の後傾は、臀部やハムストリングスが緩めば、ある程度収まってくる可能性があります。

個人でできる対応としては、ストレッチなどで体の柔軟性を高めてあげるのが良いと思いますが、後傾の原因が腰椎や股関節の歪みから起きている場合は、別途対応する必要があります。

その他ダウンドッグを行う際に必要と思われること

その他ダウンドッグを行う際に必要と思われる事としては、背骨の柔軟性も挙げられると思います。

ダウンドッグを行っている方を見ていると、背中は猫背のように丸まった状態ではなく、上半身がまっすぐに伸びた状態になっている事がわかります。

現代人は基本的に体の丸まりやすい生活をしていますので、背骨が何らかの要因で固くなってしまい、関節が伸展できない状態になっていると、ダウンドッグの際に体が伸びてくれませんので、動きを阻害してしまう可能性があるのです。

伸びた状態を維持するためには、一つ一つの関節がしっかりと伸展できる余裕がないといけませんので、背骨の柔軟性も大切なポイントだと思います。

うまくダウンドッグを行うには?

それでは、ダウンドッグをうまく行えるようにするにはどのようにすればよいのでしょうか。

筋膜に問題がある方

ハムストリングスやふくらはぎの固さ、中臀筋の緊張など、筋膜に問題があってダウンドッグがやりづらい方は、ストレッチなどを使用し、筋膜を緩めてあげる事が大切です。

そのままヨガを続けても体は緩んでくると思いますが、問題箇所が複数あったり、神経の緊張から体が固くなっている場合は、施術を受けるなどして、問題を改善させた方が良いと思います。

腰椎や骨盤に問題のある方

腰椎に問題があって神経が緊張している方、腰や股関節の問題から骨盤が歪んでしまっている方は、整体院等で問題を改善させてあげる必要があります。

体を動かしている方であれば自然と関節が緩んでくる場合もあるのですが、腰椎が固着している場合は、ちょっとした運動やストレッチでは改善が望めませんので、個別に問題を対処した方がよいと思います。

また、「筋トレや特別な体操なしで腰痛を予防する方法」では腰椎が固くならないようにする対処法もまとめてありますので、合わせてご覧ください。

段階的に練習してみる

ここまで構造的な問題についてお話して来ましたが、体の使い方を意識したり、段階的に練習する事でも、動きがスムーズになる場合があります。

これは運動やストレッチ全般にも言える事ですが、ポイントを意識したり、体の使い方がわかってくるだけでも、体は格段に変わります。

骨盤の位置やお腹の使い方、意識を向ける場所などがわかってくれば、無駄な緊張は減ってくると思いますので、段階を踏んで、自分に合った所から始めるのも大切です。

こちらのサイト「ダウンドッグのときにかかとがつきません。 | master of props | yoggy magazine」では、段階的なダウンドッグの練習法が載っていますので、合わせてご覧になってみると良いと思います。

まとめ

今回はダウンドッグで膝が伸びない、踵が着かない原因について、施術者の視点から解説してみました。

柔軟性が出てきて、ヨガの上級者ならこのようなお悩みはないかもしれませんが、初心者の方はまだまだ体が出来ていませんので、よく抱えるお悩みだと思います。

ただ、目的はダウンドッグをできるようにする事よりも、ヨガを行った事で得られる健康的な体や爽快感などだと思いますので、自分のできる範囲で、ヨガを楽しんでみてください。