オスグッド・シュラッター病の治し方

オスグッド・シュラッター病の治し方オスグッド

オスグッドは10代の膝痛として有名ですが、実は意外と適切に対処されないスポーツ障害です。

症状がそこまで強くなかったり、時間が経てば自然と治ると思われているのがその要因ですが、成長期の問題だからと言っても、決して放置して良いわけではありません。

何もせずに放って置くと、症状の悪化を招いてしまう場合もありますので、今回はそういった状況を避けるために、オスグットの治し方についてまとめてみました。

オスグッド・シュラッター病とは?

オスグッドは10代前半の子供に見られる膝の障害で、主にスポーツをやっている方に多いです。

基本的にはオーバーユースと言われていて、ジャンプやキック動作など、大腿四頭筋に負担のかかるスポーツをやっていると発症します。

競技的にはサッカーやバスケット、バレーボールなどに多いですが、膝や太もも周りに負担のかかる競技であれば、どなたでも発症する可能性があると言えます。

私もサッカーをやっていたのでオスグッドになっていましたが、周りでも半数くらいは膝に痛みを抱えていたため、結構よく見られるスポーツ障害ではないかと思います。

オスグッドの原因や症状に関しては、こちらのページで詳しくまとめてありますので参考にしてみてください。

オスグッドの原因・症状とは?
オスグッドの原因と症状についてまとめてみました。スポーツをやっていて膝の痛みが気になる。膝の出っ張りを押すと痛いなどの症状を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

オスグットの治し方とは?

オスグットを改善させる際には、いくつか大切なポイントがありますので、解説したいと思います。

大腿四頭筋の柔軟性を改善させる

オスグッドを改善させるには、やはり大腿四頭筋の柔軟性を取り戻す事が大切です。

ここが柔らかくなってくれれば、膝下を引っ張る力も弱くなりますので、症状は自然と緩和されていきます。

緩める方法としては、個人で行うならもも前のストレッチで良いと思いますが、これだけではなかなか緩んでくれないのが、オスグットの大変な所です。

疲労で固くなっているだけでしたら、すぐに筋肉は回復するのですが、運動のし過ぎだったり、腰や骨盤、もも周りの神経にまで影響が出ている方は、問題が複雑になっている可能性があります。

もし自分でケアしても柔軟性が改善されないなら、簡単な問題ではありませんので、自分でどうこうするより、一度当院にご相談ください。

腰の歪みを整える

腰の歪みも、オスグットの症状を回復させるための重要ポイントですので、忘れずにチェックしておきましょう。

腰は基本的には、適度に歩いて体の柔軟性を保っておけば、そこまでひどくなる事はありません。

ですが、日頃から座り過ぎが多かったり、体の使い方や姿勢の悪い方は、かなり腰が歪んでいると思われますので、注意する必要があります。

個人で出来る事としては、こちらのページにまとめてありますので、合わせて参考にしてみてください。

筋トレや特別な体操なしで腰痛を予防する方法
筋トレや特別な体操なしで腰痛を予防する方法を解説しています。腰痛が予防できない、予防法がなかなか続けられない方はぜひ参考にしてみてください。

施術で腰を整えるときは、関節がどのように歪んでいるのか、股関節や下半身の筋膜はどう影響しているのかなどを見ながら、時間をかけて把握していきます。

太ももの負担を減らそう

太ももの負担を減らす方法としては、一つは運動量を減らすことです。

これはどのようなスポーツをやっているかにもよるのですが、やっている競技自体が太ももに負担をかけるようなら、練習はセーブしないといけませ。

また、トレーニングで大腿部を鍛えるようなものがあるなら、オスグットになっている時は症状の悪化に直接つながりますので、今は止めておいた方が良いです。

実際、中学生くらいまでは筋力を鍛えるよりも、コーディネーション能力を高めた方が良いと思いますので、周りが筋トレをしているからと言っても、無理する必要はありません。

コーディネーション能力とは、目や耳などから入ってきた情報を、脳で処理して瞬時に体に適切な指示を出し、動かす能力のこと。

もう一つが、テーピングやバンドなどを使用して、膝にかかる負担を減らす方法です。

オスグットは膝の曲げ伸ばしを繰り返していると、どうしても脛骨に負担がかかります。

テーピングを使用して、少しでも負担が減ってくれれば、膝を引っ張る力も弱まりますので、症状の改善に役立つのです。

また、今はオスグッドやジャンパー膝用のバンドも販売されていますので、合わせて使用を検討してみると良いと思います。

体の使い方を見直そう

スポーツをやっていると、どうしても自分なりの「癖」ができてしまいます。

これは仕方のない部分でもありますが、体の使い方に偏りが生まれてしまうと、足に対する負担が増大してしまいますので、注意が必要です。

特に片足に重心をかける事が多かったり、片側を多く使うようなスポーツの方は、それが体の習慣となっていますので、負担が均等にかからなくなります。

コンディションが良ければ、それでもなんとかなってしまうものですが、ちょっとでもバランスが崩れたりすると、影響を受けてしまうのです。

そのため、競技上どうしようもない方もいるかもしれませんが、オスグットを改善させる際は、体の状態を整えると同時に、使い方も修正してあげる必要があります。

1人で修正するのは難しいと思いますので、その際は指導してもらってる先生に確認したり、当院のような所にご相談いただければと思います。

オスグットにストレッチやマッサージは有効?

ストレッチやマッサージには、筋肉を緩める効果があります。

これらを行うことによって、大腿四頭筋が緩んでくれれば、症状の緩和につながる可能性がありますので、有効な方法の一つではあります。

ですが、先程も少し書いた通り、基本的にオスグッドの症状がひどくなってしまった方は、簡単には筋肉が緩みません。

これだけで症状を改善させるのは難しいので、施術と併用しながら、症状を緩和させたり、予防や疲労を溜めないために行ってあげるのが良いかと思います。

実際にアプローチしていく際は、ただもも前をストレッチするだけでは効果が限定的ですので、足だけではなく、臀部や骨盤周りなど、広い範囲で行ってあげてください。

アイシングはやった方がいい?

アイシングは日本整形外科学会のホームページでも、予防の手段として紹介されてます。

日本整形外科学会
日本整形外科学会のホームページです。

個人的には、そこまでアイシングを重要視していませんが、炎症を抑える作用がありますので、気になる時は行ってあげると良いと思います。

特に、オスグッドは脛骨粗面の部分に熱を持つことがありますので、症状がひどくなって炎症が起きているようなら、アイシングで冷やしてあげてください。

ただ、これだけでオスグッドを改善させるのは難しいと思いますので、合わせて体を整えたり、運動量のコントロールが必要になると思います。

よくあるご質問

大人でも膝下が痛くなる場合は?

オスグッドは成長期の骨が引っ張られる事で起こりますので、基本的に子供にしか起こりません。

ですが、大人でもスポーツ等で足を酷使していると、膝下の骨の部分に痛みを引き起こしてしまうことがあるのです。

このような場合、成長期にオスグッドになっていた方は、オスグッドの後遺症として痛みが出ている場合があります。

そうではない方の場合は、オスグッドではなく、膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)と呼ばれるスポーツ障害の可能性があります。

膝蓋靭帯は膝のお皿から脛骨にくっついていますので、ジャンプ動作等で膝蓋靭帯が伸ばされると、骨が引っ張られてしまい、炎症を起こしてしまうのです。

トレーニングはどうすればいい?

オスグッドの症状が出ていても、ある程度は体を動かす事ができるため、そのまま運動してしまう方もいるかもしれません。

ですが、太ももや膝に負担のかかる動作は、症状を悪化させますので、止めておいた方が賢明だと思います。

特に大腿四頭筋の筋肉トレーニングやジャンプ動作、キック動作などは、膝に直接負担をかけてしまいますので厳禁です。

再発してしまった場合は?

オスグッドが一度良くなってから、再発してしまった場合は、今かかっている負担に対して、体が耐えきれなくなっている可能性があります。

まずは負担をコントロールする事が大切ですので、今行っている運動や日頃の生活状況から、何が膝にダメージを与えているのかを、分析してあげる必要があります。

それが運動による負荷だったら運動量をセーブしないといけませんし、座り過ぎが多くて腰に負担がかかっているなら、膝に悪影響が出ないように、腰の歪みを整えなくてはなりません。

また、同時に大腿四頭筋の柔軟性は失われている事が予想されますので、施術や自己ケアを行う事で、筋肉を緩めてあげる必要があります。