腰痛ベルトやコルセットは寝る時どうすればいい?

腰痛ベルト腰痛

ひどい腰痛を抱えている方にとって、コルセットや腰痛ベルトは手放せないものだと思いますが、あなた夜寝る時、これらをどうしているでしょうか?

人によっては「そのままつけっぱなし」という方もいるかもしれませんが、コルセットは使う場面を誤ってしまうと、症状を悪化させたり、治りを悪くしてしまう恐れもあるのです。

気にせず使ってしまい、知らず知らずのうちに腰を悪化させている方も多いと思いますので、今回は夜寝る時のコルセット使用についてまとめてみました。

コルセットは寝る時どうすればいいの?

では、実際コルセットは寝る時どうすればいいのでしょうか。
結論から言ってしまうと、これは外したほうが良いと思います。

その理由としては、安静にしている時もコルセットを付けしまうと、腹筋周りや腰を支える小さな筋肉が弱ってしまうため、余計に腰が不安定になってしまうからなのです。

腰には脊柱起立筋や腰方形筋と言った大きい筋肉だけでなく、多裂筋や棘間筋、横突間筋と言った細かい筋肉が存在しています。

これらは腰部の動作や安定性に関わってくる筋肉ですが、コルセットをずっと付けていると、これらの筋肉は働く必要がなくなってしまうため、筋肉が弱ってしまうのです。

多裂筋
椎骨の横突起や棘突起に付着している筋肉で、両側が収縮すると脊柱を伸展させ、片側が収縮すると脊柱を側屈させ、反対に回旋させる。棘間筋
腰椎の棘突起と棘突起の間にあり、腰を伸展させる働きがある。

横突間筋
腰椎の側面にある筋肉で、両側が収縮すると腰椎を安定化させ伸展する。片側が収縮すると腰椎を側屈させる働きがある。

引用参考:プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第2版

つけっぱなしは症状の悪化を招く場合も

人間は寝ている時も寝返りによって体を動かしているのですが、寝返りは体を歪みを無意識的に整えているとも言われていますので、コルセットでこれらの動きを妨害してしまうと、余計に腰が悪くなってしまう場合があります。

これは単に寝返りを邪魔したというだけでなく、腰の固定は関節を固めますので、それらが相まって、症状が悪化するのではないかと考えられます。

また、上記で筋肉が弱くなるという話を出しましたが、筋肉が弱くなると言うことは、その分関節や靭帯だけで負担をさばかなければいけなくなりますので、ちょっとの動作でもダメージを受けやすく、腰を痛める可能性があります。

コルセットが手放せない方は要注意

寝る時は体を動かすわけではないため、基本的には安心してコルセットを外せる時間です。

しかし、それでもコルセットが手放せなくなっている方は、腰が痛むからどうこうというよりも、どうにかして「腰痛の恐怖から逃れたい」と思っている状態ですので、注意をする必要があります。

これは当院の記事でも度々出てきている部分ですが、腰痛は不安や恐怖によって治り方が遅くなったり、痛みが悪化したりすると言われています。

参照:新常識!腰痛の原因はもしかしたら脳かもしれない

強く不安を感じれば感じるほど、腰痛が治るのは遅くなりますので、もし不安からコルセットが手放せなくなっているなら、一度勇気を出して、コルセットを外す時間を増やす必要があります。

人によっては、寝ても腰が痛い場合もあります。

しかし、構造問題の腰痛では、じっとしてても痛い、どんな姿勢でも痛みが変わらない、という事はありえませんので、痛くて寝れなくなっているような場合は、病気を疑って病院へ行くことをオススメします。

効果的にコルセットを使うには

では効果的にコルセットを使うにはどうすればいいのでしょうか。

上記でも説明しましたが、コルセットの使いすぎは体に悪影響を及ぼす事が予想されます。

そのため、効果的にコルセットを使うには、「これから痛む動作を行わなければならない時」と、「腰に負担がかかる事が予想される場面」に限定したほうが良いと思われます。

それ以外の場面で、特に負担がかかるわけでもないのにコルセットを使いたくなってしまっていたら、それはもうコルセットに依存している状態ですので、早いうちから注意をしておく事が大切です。

自分の力でしっかりと腰痛を改善させるためには、やはり自分の体は自分で支えられるようにしないといけませんので、コルセットに頼らない状態を作ってあげることが大切ではないかと思います。