これって腰痛?尾てい骨周りが痛む時の対処と改善法

腰痛

あなたは、「座っている時に尾てい骨が痛い」「腰をかがめると尾骨周りが痛む」という症状に悩まされてはいないでしょうか?

あまり数は多くありませんが、患者さんの中には、特にぶつけたりしたわけではないのに、「尾てい骨が痛い」という方がいます。

なぜ痛むのかよくわからないし、尾骨周りが痛くなった時にはどうすればいいのかあまり聞かないので、「何か重篤な症状かも」と不安を抱えている方もいるかもしれません。

ですが、原因と症状をしっかりと分析していけば、自ずと解決策は見つかります。

腰や股関節と違い、なかなかアプローチが出来ず症状を長く抱えてしまっている方もいると思いますので、今回は尾てい骨周りが痛む時にはどうすれば良いのかまとめてみました。

尾てい骨が痛い時の対処法

尾てい骨やその周りが痛む場合、まずは以下の2点をチェックしていただきと思います。

①患部を直接打ったりぶつけたりして痛くなったのか
②体を動かすと痛むのか、何もしなくても痛むのか

以下にそれぞれについて解説していこうと思います。

患部を直接ぶつけた

ぶつけたり転んだりして、おしりを打ってから尾骨付近に痛みが出てきてしまった場合は、まずは整形外科で骨折の有無等を確認してもらってください。

尾骨の場合、骨折したりヒビが入っても、他の部位ほど強い症状がでないため、本人がなかなか気付かない場合があります。

尾骨の骨折はレントゲンでもわかりにくく、例えわかっても処置は保存療法がメインです。病院でも出来る事は少ないそうなのですが、それでもしっかりと診断を受けることは大切です。

何もしていないのに痛くなった

患部をぶつけたわけでもないのに痛くなった場合は、原因がわからないので、症状をしっかりと分析していく必要があります。(ぶつけたこと以外に原因が思い当たる方も、こちらを参考にしてください)

自分で出来るものとしては、「動かすと痛むのか(痛みが強くなるor弱くなる)」、「動かしても痛みに変動はないのか」を確認すると良いと思います。

動かすと痛む

体を動かすと尾骨周りに痛みが出る場合は、主に以下の3つの問題が考えられます。

①おしりや脚の筋膜が尾骨周辺を引っ張り、痛みを出している可能性
②腰椎椎間板ヘルニアによる神経痛
③脊髄及び馬尾神経上に何か問題が起きている(馬尾腫瘍など)

これらは検査である程度絞る事ができるのですが、鍼灸や整体院で対応できるのは通常①です。②も、ヘルニアの程度が軽ければ、ある程度対応は可能です。

通常は、椎間板ヘルニアも施術を行うのですが、尾骨周りに痛みが出る場合は、中心性ヘルニアの可能性があります。中心性ヘルニアの場合は、症状が強く出ますので、病院でお医者さんの診察を受けてください。

③の場合は、私個人も見たことはないのですが、馬尾神経等に腫瘍が出来て、症状が出ている場合もあります。夜間痛や膀胱直腸障害、しびれなどがある場合は注意が必要です。

こう書いてしまうと少し難しく感じてしまうかもしれませんが、②と③の場合は、痛み以外にもしびれや膀胱直腸障害、筋力低下、感覚異常などの症状が出ているはずです。

動かしても痛みに変動はない

体を動かしても痛みが変わらない場合は、内蔵からの関連痛の場合があります。

内蔵が緊張しているだけならそこを緩めれば良いのですが、中には病気の場合もありますので、もしあなたの症状が上記に該当するなら、一度病院でしっかりと診断を受けることをオススメします。

当院でも、「内臓疾患から来る腰痛の特徴とは?」で詳しい事をまとめてありますので、合わせてご覧ください。

尾てい骨が痛い時の改善法

尾てい骨が痛い時の改善法としては、患部がどういう状態にあるかで対応が変わります。

骨折やヒビが確認された場合

整形外科などで骨折やヒビが確認された場合、通常は保存療法がメインとなり、安静にしておくことで体は治っていきます。ただし、中には尾骨がずれてしまい、整復する必要があるものもあります。

もし、骨折やヒビが確認された場合、鍼灸や整体院で出来る事はほとんどありませんので、お医者さんの指示にしっかりと従ってください(骨がしっかりとくっついた事が確認されているのに痛みが消えない場合は、他の原因も考えられますので相談していただけると良いと思います)。

筋膜による問題

筋膜の問題により痛みが出ている場合は、尾骨を引っ張ってしまっている筋膜を緩める事が必要になります。

ただし、このような症状の場合、単に臀部周りの筋肉を緩めたり、下肢の筋肉を緩めるだけでは、なかなか症状が取れません。

しっかりと施術を行うためには、引っ張っている筋膜を見極める事と、骨盤や全身の歪みを整える必要があります。当院では、上記のような症状に対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

また、もし他で施術を受けているけどなかなか症状が改善されないなら、「腰痛が治らない原因と対策法」も参考になると思いますので、ご覧ください。

軽度の腰椎椎間板ヘルニアの場合

上記でも説明しましたが、椎間板ヘルニアで尾骨周りに痛みが出る場合は、中心性ヘルニアの可能性があります。そのため、基本的にはお医者さんの指示にしたがって頂きたいと思います。

当院でできる事としては、腰椎の固着や股関節の硬さ等を改善し、全身で体にかかる負担を許容できるようにすること、体のバランスを取り、患部にかかる負担を減らすこと、上記2つを含め、治癒力がしっかりと発揮できるようにする事が挙げられます。

上記以外の場合は?

上記以外の場合で、なおかつ病院の検査で異常がなかった方は、重篤な問題はないと思われますので、あとは軟部組織の問題か、心理的な影響によるものです。

通常であれば、出ている問題を取り除けばそれで施術は終わりなのですが、ここに該当する方は問題が単純ではありませんので、何が体に悪影響を及ぼしているのかわかりません。

まずは体を細かく分析していく必要がありますので、症状でお困りの場合は、一度ご相談いただければと思います。

座ると尾骨が当たって痛む方

腰を曲げたり、動いた時に尾骨が痛くなる方以外にも、「座っている時に当たって痛い」という方がいます。

このような方によく見られる特徴としては、一言「姿勢が悪い」ということが言えると思います。

人間の場合、普通に座っていれば、尾骨が椅子や地面に当たることはまずありません。これは、構造上尾骨が当たる前に、左右の坐骨が地面と接するので、よほど姿勢を崩さない限り、尾骨が当たることはありえないからです。

ですが、それでも尾骨が当たってしまうというのは、基本的に座り方が悪いということが言えます。今のあなたは、腰や背中を丸めて座ってはいないでしょうか?

まずはその姿勢を正さないことには話は始まりません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は尾てい骨周りに出る痛みについてまとめてみました。

骨折や腫瘍なんていう言葉も出てきて少し心配される方もいるかもしれませんが、基本的に骨折の場合は原因が明確です。また、神経に腫瘍等がある場合はただの尾骨痛だけはなく、様々な症状が出る事が多いので、少しでも異変を感じたら病院で診てもらうことが大切です。

上記に該当せず、レントゲンやMRIをとっても異常がないと確認された方は、筋膜の問題で痛みを引き起こしている可能性が高いので、一度当院にご相談頂ければと思います。