腰痛があったり腰が重かったりする時って、ちょっとでも体が軽くなりたいから、マッサージを受ける方も多いですよね。
マッサージは心地よいですし、痛い所を押してもらえば何となく体は良くなりそうな気がしますが、実は腰痛時のマッサージは、人によって症状が悪化してしまう場合があるのです。
当院にもたまに「マッサージを受けて痛くなった」という方がいらっしゃいますので、今回はマッサージで悪化してしまう原因と、そうなってしまった時の対処法についてまとめてみました。
なぜマッサージで腰痛が悪化してしまうの?
ではなぜ体に良いと言われているマッサージで、腰痛が悪化してしまうのでしょうか。
そこには、以下のような要因があったのではないかと考えられます。
筋肉を損傷していた
「重いものを持った」「スポーツ中に腰を痛めた」など、体を動かした際に筋肉を損傷してると、患部が炎症を起こしている状態ですので、マッサージで悪化する場合があります。
これはやり方にもよるのですが、腰を直接マッサージしてしまうと、損傷した組織をさらに傷つけてしまう恐れがありますので、痛みが悪化します。
また、マッサージは血行を良くしますので、血流の増加でさらに炎症がひどくなり、痛みが悪化するパターンもあります。
※下肢など、患部以外に行うなら影響は少ないと思います
関節に問題があった
腰痛の原因が筋肉ではなく、関節に問題がある場合も、マッサージで症状が悪化する場合があります。
これは関節がどのような時に痛むのかによっても違うのですが、関節が閉じる時に痛む場合、腰を上から強く押してしまうと、強制的に関節が閉じるような動きになるため、痛みが強く出る事があるのです。
※人によってはそれで良くなる方もいますが、絶対必要という場面以外は避けたほうが賢明かなと思います
体のバランスが崩れた
腰痛がひどい方の場合、筋肉が固いことでギリギリ体のバランスを保っている場合があります。
そんな時に、一部の筋肉だけを緩めてしまうと、均衡が崩れて、一気にバランスを崩してしまう事があるのです。
施術者側としては、そうならないようにいろいろ配慮をしているのですが、もともと体の悪い方は、そこら中に問題が転がっているような状態ですので、なかなか防ぐのが難しいという現状があります。
また、人間の場合は1番問題の大きい所を異常と感じますので、マッサージによって周りの筋肉が緩むと、固い所と柔らかい所のギャップが生まれ、関節の緊張だけが強調されてしまう事もあります。
マッサージによる揉み返し
マッサージを受けていると、たまに揉み返しという現象が起きる場合があります。
揉み返しは筋膜や筋肉が傷つくことで起こるのですが、施術後や翌日に急に腰が痛くなっているので、悪化したのでは?と感じる方が多いのです。
心配や不安による緊張
こちらは構造的な問題ではないのですが、腰に強い心配やストレスを抱えていると、心理面の緊張から体を固くしてしまい、症状を悪化させてしまう場合があります。
特にずっと腰を気にしている方や、もともと心配性で腰に不安を抱えている方は、このような状況に陥りやすいので注意が必要です。
構造レベルの話をすると、緊張は出ていますが、関節などが直接悪くなっているわけではないので、その人の不安が解消されたり、考え方が変わるだけでも症状が改善される場合があります。
日常生活に問題があった
腰痛が悪化してしまった方の中には、マッサージが原因ではなく、日常生活に問題があったパターンもあります。
よくあるパターン
・炎症があるのにお酒を飲んでしまった
・炎症があるのにお風呂で温まってしまった
・長時間同じ姿勢を続けた
・安静にし過ぎて体をまったく動かさなかった
・ずっと腰を気にしてかばっていた
など。
ちょっとした不注意だったり、良かれと思ってやっている行動が実は腰に悪いという事はよくありますので、患者さんとしてはなかなか問題に気づけない場合があります。
腰痛が悪化した場合はどうしたらいい?
腰痛が悪化してしまうと、「大変な事になっちゃってたらどうしよう」と不安ばかり募ってしまうものですが、重篤な問題がない限りは適切に対処していけば大丈夫ですので、まずは落ち着く事が大切です。
なぜ症状がひどくなったのか見てもらおう
腰痛が悪化してしまった時は、なぜ症状が悪化したのかしっかりと調べる事が大切ですので、まずは専門家に体を見てもらうことをオススメします。
以下の症状がある場合は病院へ行くことをオススメします。
- 腰が痛くて全く動けない
- 痛みとともに強いしびれが出ている
- 足が動かしづらい
- 夜中に強い痛みに襲われた
- 腰痛以外の症状がある
など。
これらは単に腰痛というよりも、重篤な問題が潜んでいる可能性がありますので、まずは病院へ行き、しっかりと体を見てもらう事が大切です。
以下の場合は整体院や鍼灸院で見てもらう事をオススメします。
- 病院で大きな問題がなかった
- 体を動かす時に痛みがある
- 筋肉や関節の問題が疑われる
など。
腰痛が筋肉や関節などの問題から起きている場合は、基本的には当院で対応が可能です。
筋肉を損傷していた場合
筋肉を損傷していた場合は、炎症がおさまり、組織が回復すれば症状は落ち着いて来ますので、患部をケアしながら、体の状態を整えてあげることが大切です。
また、筋肉は引き伸ばされると痛みが出ますので、バランスを取り、周りの組織を柔軟に保つことで、症状がひどくなるのを防げる可能性があります。
関節に問題があった場合
関節に問題があった場合は、個人でどうこうするのは難しい部分ですので、基本的にはプロの施術者に任せた方が良いかと思います。
症状の軽い人でしたら、ウォーキングを取り入れる事で緩んでくれる事もあるのですが、関節の固着や歪みは簡単には取れない事もありますので、体全体を見ながらアプローチすることが大切です。
普段の過ごし方を気をつけよう
腰痛が悪化してしまった時は、さらなる症状の悪化を招かないためにも、普段の過ごし方を注意する事も大切です。
以下日常で気を付けたいポイントです。
- 安静にしすぎない
- 適度に体を動かす
- 腰をかばいすぎない
- 座り過ぎに気をつける
- 心配しすぎない
など。
腰痛は体を動かさないと悪化していきますので、炎症がひどかったり、どうしょもない状況の方以外は、積極的に体を動かした方が良いと思います。
また、心理的な不安やストレスは痛みを増強させてしまいますので、「腰を心配しすぎない」というのも大切なポイントです。