「ぽっこりお腹が気になる」「反り腰をどうにかしたい…」そんなお悩みないでしょうか。
骨盤の前傾は、体に様々な問題を引き起こすため、しっかりと整えてあげる事が大切です。
筋肉の緊張を取り、バランスを整えてあげると解消される可能性がありますので、今回は骨盤前傾の改善に役立つストレッチを解説してみました。
骨盤前傾を治すとどんなメリットがあるの?
それでは、まずは骨盤前傾を治すとどんなメリットがあるのか解説していきたいと思います。
腰痛の改善
骨盤の前傾を治す事で、まず期待できるのが腰痛の改善です。
腰は骨盤の上に乗っていますので、前傾する事でそれに伴い腰椎の前湾も引き起こします。
これが「反り腰」と呼ばれる腰が過剰に反ってしまった状態なのですが、この反り腰は、腰に大きな負担をかけてしまうのです。
反り腰は女性の方に多いですが、前傾が原因で腰痛を引き起こしている場合、骨盤を整えてあげる事で症状が緩和される可能性があります。
首の負担が軽減
前傾により腰が反ってしまうと、それに伴い背骨や首のS字カーブが崩れ始めます。
S字カーブが崩れてしまうと、首の負担が増大してしまいますので、首や肩に様々な症状を引き起こすしてしまうのです。
そのため、骨盤を整えて背骨の状態が良くなると、頭の重さをしっかり支える事ができますので、首の負担が減る可能性があります。
生理痛の改善
骨盤が前傾してしまうと、骨盤内にある子宮や膀胱も傾きます。
子宮は骨盤と靭帯でつながっていますので、傾く事で引っ張られる形になってしまい、余計緊張を強めてしまうのです。
骨盤の位置を整えてあげると、無駄な緊張が減り、内部の循環も良くなるため、生理時の痛みが緩和する可能性があります。
ぽっこりお腹の解消
骨盤が前傾すると、上部が前に傾くのですが、それに伴いお腹がぽっこりと出てくる場合があります。
これがよく女性を悩ませるぽっこりお腹の原因なのですが、このぽっこりお腹も、前傾の改善で解消される場合があります。
前傾を治すことで骨盤が正常な位置に戻ると、前にお腹を押し出すこともなくなりますので、ぽっこりした部分が引っ込んでくれる場合があります。
骨盤が前傾しているか評価してみよう
それでは、実際にストレッチを行っていく前に、自分の骨盤の状態を把握して行きましょう。
まずは骨盤の前側の出っ張り(上前腸骨棘)と、後ろ側の出っ張り(上後腸骨棘)を探してみてください。
こちらの高さを前後で比べてみて、指で2.5本以上間が離れているようなら、骨盤は前傾しています。
ストレッチを行っていきましょう。
もし、これで前傾が確認されないのであれば、骨盤は前に傾いているわけではありませんので、ストレッチは不要です。
骨盤が前傾している時はどの筋肉を緩めればいいの?
骨盤の前傾には、腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)、大腿直筋、縫工筋、脊柱起立筋という筋肉が関わっています。
これらの筋肉が緊張や短縮を引き起こしてしまうと、骨盤上部を前に傾けてしまったり、下部を後ろから引き上げてしまうため、結果として骨盤の前傾を引き起こします。
そのため、前傾を改善させるには、これらの筋肉を緩めてあげる必要があります。
ただし、適当に緩めれば良いというものでもありませんので、まずはしっかりと検査を行って、本当にその筋肉に問題があるのか、チェックしてみてください。
具体的なチェック方法は、こちらのページで解説してあります。
骨盤の前傾改善に役立つストレッチとは?
それでは、ここから前傾の改善に役立つストレッチ紹介していこうと思います。
腸腰筋のストレッチ1
腸腰筋の場合は、床に片膝を立てた状態から行っていきます。
床についている方の足に体重をかけながら、前に重心を移動させてみてください。股関節の前面が伸びてくるはずです。
うまく伸びてくれない場合は、重心を前に移動させるのではなく、腰を反っているだけの場合がありますので、注意してください。
腸腰筋のストレッチ2
こちらのストレッチは、基本的には膝を抱えてる側の臀部を伸ばすストレッチなのですが、やり方を工夫すると、腸腰筋を伸ばす事もできます。
まずは仰向けに寝た状態で、片側の膝を抱えるようにしてみてください。
膝を抱えたら、反対側の足が浮いてこないように、足をまっすぐ足先の方へ伸ばすようにしてみてください。
うまくストレッチがかかると、腸腰筋が伸びてくるはずです。
無理なく行える方法ですので、高齢の方や膝を痛めている方などは、こちらのストレッチをオススメします。
腸腰筋のストレッチ3
3つ目のストレッチは、少し強度が強いので、アスリートや上級者の方にオススメです。
立った状態から片側の足を前に出して、膝をゆっくりと曲げながら、反対の足を後ろにずらしていってみてください。
重心が下に落ちていくと、腸腰筋が伸びてくるはずです。
※初心者の方や運動に慣れていない方は、1と2に方をオススメします。
大腿直筋のストレッチ1
大腿直筋のストレッチは、腸腰筋と同じような形で伸ばすことが可能です。
先程と同様に、片膝を立てた状態で、今度は足首を持って膝を曲げるようにしてみてください。
その後、重心を前に移動させたり、膝の曲げ具合を変える事で、伸びる加減を調整できます。
大腿直筋のストレッチ2
大腿直筋2つ目のストレッチは、立った状態で行っていきます。
まずは壁などで体を支えながら、片側の膝を曲げ、足首を持ってください。
この時に、踵をお尻に近づけるようにすると、大腿直筋が伸びてくるはずです。
縫工筋のストレッチ
縫工筋の場合は、腸腰筋のストレッチに少しアレンジを加えた形で行っていきます。
まずは先程と同様に、片膝を立ててください。
片膝を立てたら、反対側の足先を少し外側に持って行きます。
このように少し外側に動かしてあげると、縫工筋にテンションがかかりやすくなりますので、前に体重をかける事でストレッチが可能です。
脊柱起立筋のストレッチ
脊柱起立筋のストレッチは、仰向けに寝た状態で行っていきます。まずは両膝を抱えて、胸に近づけるようにしてみてください。
うまくストレッチができていると、これだけでも脊柱起立筋が伸びてくるはずです。
物足りないように感じる場合は、頭を少し上げてあげると、背面全体が伸びやすくなると思います。
ストレッチをしても前傾が改善されない場合は?
ストレッチで筋肉を緩めてあげると、基本的には骨盤を前に引っ張るものがなくなりますので、前傾が改善します。
ですが、中には筋肉を緩めても改善されないパターンもありますので、解説したいと思います。
筋力低下の問題
骨盤の前傾は、骨盤を後ろに傾ける筋肉の筋力低下によっても引き起こされます。
筋力が低下してしまうと、後ろ側に引っ張る力がなくなってしまいますので、後は前に引っ張られるだけとなり、骨盤が前傾してしまうのです。
このような場合は、メインの原因が筋力低下ですので、筋力バランスをしっかり調べて、トレーニングしてあげる必要があります。
ただし、適当に鍛えると余計にバランスを崩してしまう恐れもありますので、できれば専門家にご相談した方が良いと思います。
筋力低下で関係する筋肉としては、ハムストリングス、大臀筋、腹直筋、内腹斜筋・外腹斜筋が挙げられます。
ハムストリングスと大臀筋は後ろ側から、腹直筋と内腹斜筋・外腹斜筋は前側から、それぞれ骨盤を後ろに傾ける作用があります。
背骨や股関節の問題
骨盤の前傾が解消されて、ニュートラルの状態に戻るためには、筋肉だけではなく、背骨や股関節も需要です。
なぜこれらも需要なのかというと、それは前傾が戻るためには、「関節」も動いてくれないといけないからなのです。
考えて見ればわかりますが、骨盤が前傾している時は、股関節を軸にして骨盤が傾き、それと同時に腰椎も反った状態になります。
前傾が解消される時は、当然この逆の動きをするため、股関節や腰椎が固まってしまうと、関節ロックしてしまうため、うまく骨盤が戻ってくれない事があるのです。
このような場合は、いくら筋肉を柔らかくしても、別の所で引っかかっていますので、問題はなかなか改善されない事が多いです。
まとめ
骨盤の前傾は、腰痛や首の負担、生理痛、ぽっこりお腹の原因になりますので、しっかりと整えてあげる事が大切です。
改善のためには、筋肉を緩める事が効果的ですので、腸腰筋(大腰筋・腸骨筋)、大腿直筋、縫工筋、脊柱起立筋などをストレッチしてみてください。
今回はそのストレッチ方法をいくつか紹介してみましたが、筋肉を緩めても前傾が改善されない場合は、別の原因も考えられますので、お気軽に当院にご相談ください。