骨盤のバランスを整える事は、健康で美しい体を維持するために大切なポイントです。
今回の記事では、「骨盤後傾」を改善させるためのストレッチを紹介してみました。
「猫背が気になる」「O脚がなかなか治らない」などのお悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
骨盤が後傾しているとなぜいけないの?
それでは、まずは骨盤が後傾しているなぜいけないのか解説していきたいと思います。
姿勢が悪くなる
骨盤後傾でまず引き起こされるのが、姿勢の悪化です。
健康な姿勢を維持するためには、背骨が適度に湾曲している必要があるのですが、骨盤後傾はこの背骨のS字カーブを歪めます。
カーブが歪んだ背中は、それでもどうにかバランスを取ろうとするため、猫背や巻き方といった状態を引き起こすのです。
猫背や巻き方は、肩こりや首周りの問題を引き起こしますので、注意しないといけません。
O脚の原因になる恐れも
O脚とは、膝が外側を向いてしまい、足がちょうどアルファベットのOのように歪んでしまった状態です。
あなたも自分の足を見てみて、両足を揃えた時に、脚の間に隙間が空いてはいないでしょうか?
もしこのような状態になっているなら、あなたの脚はO脚になっているかもしれません。
O脚と骨盤の関係は、一見わかりづらいかもしれませんが、実は密接なつながりがあります。
骨盤が後傾してしまうと、背骨の歪みと同時に、股関節の外旋が引き起こされます。
股関節が外旋すると、足が外側を向いてしまいますので、体は下腿や足首でバランスを取ろうとして、脚を歪めてしまうのです。
この一連の流れが、O脚を引き起こします。
O脚は見た目的な問題もありますが、膝や足首に負担をかけてしまうので注意が必要です。
首肩に問題を引き起こしやすくなる
骨盤が後傾し、背骨のS字カーブが崩れてしまうと、背中は猫背のように丸まった状態になります。
背中が丸まってしまうと、それに伴い頭が前に傾いてしまいますので、後ろ側にある僧帽筋や肩甲挙筋などに、大きな負担をかけてしまうのです。
これがいわゆる頭の重さを「骨」で支えられていない状態です。
この状態は、常に筋肉が緊張状態にありますので、肩こりなどを引き起こしやすくなります。
また、頭が傾いた状態だと、目線も下を向く事になります。
下を向いたままだと、前が見えませんので、どうにか頭を持ちあげようと思い、無理に首を反ってしまうのです。
この「首の反り」は、本来よりも無理やり反っている状態ですので、頚椎に強い負担をかけてしまう場合があります。
膝を痛めやすくなる
膝は脚が真っ直ぐの状態ですと、体にかかる荷重をしっかりと地面に逃がすことができます。
ですが、O脚のように外側に開いてしまった状態だと、うまく下まで力が逃げませんので、曲がっている膝にダメージを与えてしまうのです。
特にO脚は内側の関節に負担のかかりやすいので、それが長く続けば、関節の軟骨がすり減ってしまったり、膝痛の原因になる恐れがあります。
骨盤が後傾しているか調べてみよう
骨盤の後傾を調べるには、上前腸骨棘と上後腸骨棘と呼ばれる、骨の出っ張りを目安にするとわかりやすいです。
まずはこちらのイラストを参考にしていただき、前と後ろで骨が出っ張っている部分を探してみてください。
出っ張りが見つかったら、上前腸骨棘と上後腸骨棘の高さを比べてみて、二つの間が指2本分以下だったら、あなたの骨盤は後傾しています。
だいたい2本から2.5本くらいが正常な状態ですので、そのくらいの範囲で収まっているなら、ストレッチの必要はありません。
骨盤が後傾している時はどこを緩めればいいの?
骨盤後傾時に緩めた方が良い筋肉としては、ハムストリングス、腹直筋、大臀筋、内腹斜筋・外腹斜筋などが挙げられます。
ハムストリングスはモモ裏にある筋肉で、大臀筋は臀部に、腹直筋、内腹斜筋・外腹斜筋は腹部にそれぞれあります。
これらが緊張してしまうと、骨盤上部を後ろに傾けてしまったり、下部を前から引き上げる形になりますので、相対的に骨盤後傾を引き起こすのです。
ただ、どの筋肉が影響を与えているかは人それぞれですので、まずはこちらを参照していただき、筋肉にホントに問題があるのか、チェックしてみてください。
※腹直筋と腹斜筋の検査は割愛してます。
骨盤後傾の改善に役立つストレッチとは?
ここからは、実際に後傾改善に役立つストレッチを解説していきたいと思います。
ハムストリングスのストレッチ1
まずは床に座った状態で、片方の足を伸ばし、反対側の膝を曲げてください。
手で足先を触るように体を倒していくと、太モモの裏側が伸びてくるはずです。
ハムストリングスが固い方は、足まで手が届かなかったり、膝が浮いてきてしまう場合もあるかもしれません。
ですが、モモ裏が伸びていれば問題ありませんので、自分なりのペースで行ってみてください。
その後、少し慣れてきたら膝を曲げないようにしてみたり、背すじを伸ばしてストレッチしてみてください。
伸び方が変わってくるはずです。
ハムストリングスのストレッチ2
こちらは両足を伸ばして行うタイプのストレッチです。
床に足を伸ばして座っていただき、両手で足先を触るようにしてみてください。
膝が曲がらないように意識してあげると、ハムストリングスが効果的に伸びてくると思います。
個人的な感覚としては、片方ずつのストレッチよりも、両足を揃えてやった方が背面全体にテンションがかかってきますので、強度は強いと思います。
腹直筋のストレッチ1
腹直筋のストレッチは、床にうつ伏せで寝た状態から行っていきます。
両手で体を持ち上げるようにしながら、上体をゆっくりと引き起こしてみてください。
腹部の前面が伸びてくるはずです。
場合によっては、骨盤が浮いて来ちゃうかもしれませんが、浮かさないようにするのがこのストレッチのポイントです。
※腰痛持ちの方は、腰が痛くなってしまう事もありますので、無理をしないようにしてください。
腹直筋のストレッチ2
腹直筋のストレッチ2つ目は、立ち膝の状態から行っていきます。
足を肩幅程度に軽く開いていただいて、両手で足首を触るようにしながら体を反らしてください。
この時に、目線が真上を向くように頭を反らしていくと、しっかりと腹直筋が伸びてくると思います。
※初心者の方や腰痛をお持ちの方は無理をしないようにしてください。
大臀筋のストレッチ1
大臀筋のストレッチは、床に仰向けに寝た状態で行っていきましょう。
片側の膝を曲げて、胸に近づけるように抱えてみてください。
しっかりストレッチされると、お尻周りに伸びるような感覚を感じるはずです。
このストレッチは、床に寝ることで体が安定しますので、どのような年齢の方にもオススメできます。
大臀筋のストレッチ2
2つ目のストレッチは、椅子に座った状態で行っていきます。
まずは片方の足を反対側の太モモの上に乗せて、足首と膝辺りをしっかりと抑えてください。
その状態で体を前に倒して行くと、大臀筋がしっかりと伸びてくるはずです。
腹斜筋のストレッチ1
腹斜筋のストレッチは、床に座った状態から行っていきます。
片方の足を伸ばし、反対の足をクロスさせるようにしてみてください。
足をクロスさせたら、腕をモモの外側へ持っていき、体を捻っていくと、腹斜筋が伸びて来るはずです。
腹斜筋のストレッチ2
腹斜筋2つ目のストレッチは、立った状態で行っていきます。
まずは肩幅くらいに足を開いていただいて、両手を頭の上で組んでください。
手を組んだら、体と腕を少し上に伸ばすように意識してみましょう。
そのままの状態で左右に倒してあげると、しっかりと腹斜筋がストレッチできます。
まとめ
今回は骨盤後傾の改善に役立つストレッチを解説してみました。
後傾は、放置していると姿勢の乱れにつながったり、肩や膝の問題を引き起こす恐れがあります。
改善のためには筋肉を緩めてあげる事が効果的ですので、ぜひ今回紹介したストレッチを試してみてください。