腰痛がある時は、寝ているだけでも腰に痛みが走ったりするので、どんな寝方で寝れば良いのか迷う時ってありますよね。
横を向いても痛いし、上を向いてみても辛いので、どうにかして症状が緩和しないものかと悩んでいる方も多いと思います。
そんな時は、どんなに不格好な状態でもいいので、難しいことを考えず、1番体が楽なポジションを探して寝てみてください。
中には楽なポジションが見つからない方もいると思いますので、今回はなぜ楽なポジションで寝ることが良いのか、自分の腰痛にはどんな寝方が痛みを緩和させやすいのかを書いていこうと思います。
なぜ楽なポジションを探して寝る方がいいの?
楽な姿勢で寝たほうが良いと思う理由は、主に以下の4つです。
腰痛のパターンよって楽な姿勢が違う
一般的に、腰痛の時は横向きが楽だと言われています。横向きは、確かに腰にかかる負担を減らしてくれますが、それがあなたの今の体に合っているかどうかはわかりません。
実際が私が見てきた患者さんでは、横向きよりもうつ伏せが楽だったり、仰向けが楽だったりする患者さんがいました。
腰痛の場合、基本的には関節の固着の仕方によって、楽な姿勢が変わります。
関節が縮んで固まってしまっている方の場合は、反っていた方が楽な事が多いですし、伸びた状態で固まってしまっている方は、腰を曲げている方が楽な事が多いです。
ですが、これはあくまでも理論的な話で(詳しい関節の話は割愛します)、実際の臨床現場では、股関節や他の腰椎、筋肉等との関係により、楽な姿勢がまったく変わります。
その為、1番良いのは、自分が1番楽だと思う姿勢で寝ることだと思います。
無理な寝方は症状を悪化させる
多くの方は、知り合いから「この寝方がいいよ」とか、テレビで「腰痛の時はこうやって寝よう」と言われると、無条件に「それが正しいんだ」と思ってしまうと思います。
ですが、それって本当でしょうか?
その方達はあなたの体を見て言っているのでしょうか?
上記でも少し説明しましたが、腰痛は人によって様々なパターンがあります。その為、他の方が良いと言った方法が、あなたにも良いとは限りません。
むしろ、他の方にとって良い寝方が、あなたには無理な寝方の場合もあるのです。
それならば、次項で説明する体のサインにしたがって、楽な寝方で寝るほうが、体にとっては無理のない姿勢と言えます。
痛みは体のサイン
痛みは、体に何か異常が起きていることを知らせてくれるサインです。もし、あなたが仰向けで寝る時に痛みを感じているなら、仰向けはあなたにとって問題のある姿勢と言えます。
反対に、楽で痛みのない姿勢というのは、あなたの体にとっても負担の少ない姿勢と言えます。
人間の体は、関節に負担がかかると、自分の身を守るために固くなろうとします。その為、姿勢を限定して無理に辛い体制で寝ていると、余計関節に負担をかけてしまい、更に体が硬くなる恐れがあります。
楽な姿勢で寝るというのは、自分の体のサインに従い、上記のような状態を防ぐ狙いがあります。
ずっと同じ姿勢では寝られない
人間は、ずっと同じ姿勢では寝ることは出来ません。なぜなら、ずっと同じ姿勢で寝てしまうと、体の重みによって血管が圧迫され、筋肉や皮膚が壊死してしまい、褥瘡(床ずれ)を起こしてしまうからです。
そうならない為に、体は無意識に寝返りを起こします。たとえ朝起きた時に同じ姿勢だったとしても、体はなんども寝返りをして、体勢を変えています。
腰痛によい寝方と思って実践してみても、一度寝てしまえばどんどん姿勢は変わっていきますので、どうせなら楽な姿勢で寝たほうが、体も心も楽だと思います。
また、寝返りは体の歪みを正す運動とも言われています。
寝ている時に勝手に体を調整してくれるので、わざわざ寝る姿勢を決めて、自分の治す力を妨害する必要もないと思います。
私としては、寝方よりも「どれだけ寝ている時に体が自由に動けるか」の方が大切だと考えています。
楽なポジションの見つけ方
楽なポジションがよくわからないなら、自分の症状と見比べて、構造的に負担のかかりづらい寝方を試してみると良いと思います。
ここでは、その見分け方を紹介しようと思います。
※腰痛は複雑な問題が絡み合ってる場合もあるため、実際に試して良い感じがしなかったら、すぐ止めてください。
反るのが辛い
腰を反るのが辛いなら、構造的に腰椎が閉じづらい状態になっていると思われますので、ただ仰向けで寝るだけだと、腰を反らし、関節に負担をかけてしまう可能性があります。
横向きで軽く膝を曲げた姿勢や、仰向けで膝を立て、クッションを膝裏に入れた姿勢で寝てあげると、腰椎の前湾を抑え、負担を減らしてくれる可能性があります。
前に曲げるのが辛い
前に曲げるのが辛いなら、腰椎が閉じた状態で固まってしまい、関節が伸びづらい状態になっている可能性があるため、上記で紹介したような寝方では、痛みが出てしまう可能性があります。
そのため、前に曲げる事以外に、真横に腰を曲げてみて、どちらがより辛いか確認してみてください。
もし右に曲げるた時に腰の左に痛みが出るなら、右側を下にして横向きになってみてください。この時、腰はあまり丸めないようにすると、構造的には腰椎の負担が減ります。
また、もし左に曲げた時に右に痛みが出るなら、左側を下にして横向きになってみてください。この時も、腰はあまり丸めないようにする必要があります。
上記には該当せず、前に曲げるのが辛いのに右側に曲げると右が痛い方や、左に曲げた時に左の腰が痛い方は、問題が複雑化しているので、下記の「問題が複数ある場合」を参照してください。
問題が複数あると思われる場合
腰を前に曲げても反っても痛みが出る方や、問題が複数あると思われる方は、残念ながら腰が複雑に歪んでいたり、骨盤や他の部位にも問題があるため、楽な寝方を見つけるのは非常に難しいと言えます。
場合によっては楽な寝方がない場合もありますので、寝方を気にするより、「腰痛の正しい対処法と治し方を6つのステップで解説」を読んで、一刻も早く腰痛改善のために動いてください。
まとめ
腰痛の時は、何か決まった寝方をするよりも、その時に「自分の1番楽なポジションを探す」という事を心がけ、寝たほうが心身ともに負担が少なくて良いと思います。これは人によって違うので、その時の体のセンサーにしたがってください。
また、体のためには寝返りがちゃんと打てる事も大切です。お子さんと一緒に寝ていたり、柔らかすぎるマットレスで寝ていると、寝返りを阻害してしまうので、注意しておきたい所です。