頭痛が治らない原因って?

頭痛の女性頭痛

「病院で異常がなかったのに全然頭痛が治らない…」あなたはこんなお悩みを抱えてはいないでしょうか?

実は頭痛を抱えてる患者さんの多くは、MRIやCTなどでは異常が確認できない一次性の頭痛(緊張型頭痛や片頭痛など)と言われています。

そのため、病院へ行き、問題がないので薬を処方されて終わってしまう事も多いのですが、緊張型頭痛や片頭痛の場合、適切に対処をすれば症状が改善する可能性があるのです。

知らずに薬で凌いでいてもつらいだけだと思いますので、今回は頭痛が治らない原因についてまとめてみました。

※ここでは緊張型頭痛や片頭痛などを対象としていますので、頭痛の痛みが激しい方や、脳出血や脳腫瘍など重篤な疾患が疑われる場合は、ずぐに病院へ行ってください。

頭痛が治らない原因って?

基本的に、緊張型頭痛と片頭痛は全然別ものなのですが、どちらにも影響するものがあったり、両方を併発している方がよくいますので、ここではまとめて書かせていただきました。

緊張型頭痛とは
緊張型頭痛とは、精神的なストレスや首肩の緊張により引き起こされる頭痛。頭が締め付けられるように痛むのが特徴。

片頭痛とは
片頭痛とは、何らかの要因で頭蓋骨内の血管が拡張し、炎症が起こる事で症状が引き起こされる頭痛。脈を打つようにズキンズキンと痛む事が特徴。

頭痛のCT・MRI検査で異常がなかった時の対処法

後頭環椎や上部頚椎は緩んでいるか

後頭環椎(後頭骨と第一頚椎との間の関節)や首の上の方(頚椎の1番、2番、3番)などが緊張していると、頭部表面の感覚を司る神経が緊張してしまうため、頭痛を引き起こす場合があります。

これらは緊張型頭痛の原因になりやすい部分なため、後頭部やこめかみ、側頭部などに頭痛が出ているなら、必ずチェックしなければならないポイントです。

大後頭神経や小後頭神経は緊張していないか

上記で上部頸椎の話をしましたが、そこから出ている大後頭神経や小後頭神経という頭の皮膚を支配する神経などが緊張してしまうと、頭痛を引き起こす場合があります。

実際、神経にアプローチしなくても、首の上の方が緩まればある程度症状は取れてしまうものなのですが、神経自体に緊張が残っている場合は、個別にチェックする必要があります。

※よく、クイックマッサージなどで頭の付け根をグイグイ押されたりしますが、強く押すと神経を刺激してしまい、頭痛を悪化させる場合がありますので注意してください。

頚椎・胸椎の歪みは取れているか

頚椎や胸椎が歪んでいると、後頭環椎や上部頸椎、頭部に向かう神経に悪影響を与えるため、頭痛が出ているなら合わせてチェックすることが大切です。

だいたい緊張型の頭痛が出ていて、胸椎が柔らかいという事はほとんどないのですが、胸椎の固さは心理面や骨盤、腰椎などの影響も受けるため、体全体を見て状態を把握する必要があります。

頭蓋骨の歪みや縫合の固さは取れているか

頭蓋骨の名称
頭蓋骨が歪んでいたり、縫合が固くなっていると、頭痛の原因になる場合があります。

先程緊張型頭痛の話を少し出しましたが、片頭痛の場合は三叉神経が大きく関係していると言われているため、蝶形骨や側頭骨などに問題があると、神経を過敏にさせてしまい、頭痛がおこりやすくなる可能性があります。

三叉神経とは、顔の感覚を脳に伝えたりする神経。

また、矢状縫合(左右の頭頂骨の間の縫合)や冠状縫合(前頭骨と頭頂骨の間の縫合)などが固くなってしまうと、頭蓋骨内の圧力が高まってしまい、結果として頭痛を引き起こす場合もあります。

隔膜の緊張は取れているか

隔膜とは、簡単に言うと組織を仕切る膜状の組織なのですが、ここが緊張してしまうと、脳脊髄液の流れが悪くなり、頭蓋内の圧力に影響をあたえるため、頭痛を引き起こす場合があります。

有名なものに横隔膜などがありますが、それ以外にも骨盤隔膜や胸部の隔膜、後頭環椎周りが緊張してしまうと、同様に脳脊髄液の流れに影響を与えるため、注意が必要です。

血管に問題は起きていないか

片頭痛のメカニズムはまだ完全に解明されたわけではないのですが、何らかの要因で頭蓋内の血管に分布する神経が刺激されると、血管が拡張し、炎症が起こることで頭痛が引き起こされるのはないかと考えられています。

そのため、血管の活動に影響を与える三叉神経や自律神経の問題、ストレスや血管作動作用をもつ食事によって、血管に問題が出れば頭痛が引き起こされる可能性があります。

三叉神経は正常か

頭蓋骨の部分で三叉神経の話を出しましたが、三叉神経が緊張していると、片頭痛の原因になってしまう場合があります。

緊張の原因としては、上記で挙げた頭蓋骨の問題もありますが、それ以外にも神経の走行上に問題があったり、ヘルペスなどのウイルスで神経が刺激されて影響を受けている場合もあります。

自律神経は乱れていないか

人間の血管は自律神経によって支配されているため、自律神経が乱れていると、片頭痛を起こしやすくなります。

一般的には、自律神経はストレスや睡眠不足、不規則な生活習慣などで乱れると言われていますが、背骨が歪んでいても、神経のバランスに悪影響を与えます。

特に、仙骨や上部頚椎に問題があると、副交感神経の働きに悪影響を与えてしまいますので注意が必要です。

食事に気をつけているか

先程、片頭痛は血管の問題によって引き起こされると解説しましたが、食べ物には血管の働きに影響を与えるものもあるため、場合によっては頭痛の原因になる場合があります。

上記では、血管の拡張部分にだけ触れましたが、血管が収縮する作用でも、その後には拡張が待っていますので、頭痛が起きる可能性があります。

代表的なものとしては、ポリフェノールを含む赤ワインやチラミンを含むチーズ、グルタミン酸ナトリウムを含むうまみ調味料などです。

ストレスはたまっていないか

ストレス

ストレスがたまってしまうと、自律神経の乱れや神経の緊張を引き起こすため、頭痛になりやすくなる可能性があります。

上記では、自律神経の乱れは片頭痛を引き起こすと書きましたが、それだけではなく、ストレスにより交感神経が優位になると、背中や首なども同時に固くなるため、緊張型の頭痛の原因にもなります。

また、ストレスがかかるとセロトニンという物質が分泌されるのですが、セロトニンは血管を収縮させますので、セロトニンが代謝されると、今度は反動で血管の拡張が起こり、頭痛が引き起こされる場合もあります。

まとめ

病院の検査で異常がないのに頭痛が治らない場合は、緊張型頭痛や片頭痛の可能性があります。

緊張型頭痛の場合は、頚椎や胸椎の状態や、頭部に向かう神経が緊張しないかなどをチェックし、体の状態を整えてあげる必要があります。

片頭痛の場合は、頭蓋骨の歪みや三叉神経の問題、自律神経の乱れなどが影響するため、体の状態を整えながらも、食事に気をつけたりストレスをためないように、生活習慣を改善することも大切です。

どちらも体の状態を整えると症状が改善しやすくなりますので、症状でお困りの方は一度ご相談頂ければと思います。