寝違え悪化の原因とは?どう対処すればいい?

首の痛み

寝違えは、放おっておいても自然と治るようなイメージがありますが、実はしっかりと対処をしないと、症状を悪化させてしまい、治りづらくなってしまうってご存知でしたでしょうか?

「そのうち治るから」とか、良かれと思ってやっていた行動が実はマイナスの場合もありますので、今回は寝違えを悪化させる原因についてまとめてみました。

NGな行動をとってしまい、後に大変な思いをしないために、ぜひ参考にしてみてください。

寝違えが悪化する原因とは?

それでは、実際に症状が悪化する原因について見ていきたいのですが、寝違えが悪化してしまう方の多くは、いくつかの共通した行動を取っている場合が多いです。

よくある原因を紹介していきますので、自分がこれらに当てはまっていないか確認してみてください。

治療せずに放置

寝違えは、基本的には放おっておいても治りますが、それはあくまでも症状が軽かったり、治癒力が高い方の場合のみです。

普段から体を動かさなかったり、ケアを怠っているような方は、体が著しく悪くなっている可能性がありますので、放置は症状を悪化させてしまう可能性があります。

また、寝違えは急激に起きたように思われがちですが、実はそれは間違いです。

寝違えになってしまった方を見ていると、肩や首だけでなく、全身が大きく歪んでいる事もありますので、今まではたまたま症状が出ていなかっただけの場合も多いです。

何かの拍子にバランスが崩れると、一気に症状は噴出してきますので、放置はあまりオススメできません。

ただ痛い所を揉んだりストレッチ

寝違えは、首や肩が痛いと言っても、原因がまったく別の所にある場合もあります。

そのような時に、痛いからと言ってやみくもに患部を揉んだりストレッチしてしまうと、体に負担をかけてしまいますので、症状を悪化させる恐れがあるのです。

自力でなんとかしようとしたり、マッサージ好きな方はよくこのパターンにハマりますが、もし少しでも症状の悪化を感じるようなら、やめておいた方が賢明です。

※原因が筋肉にある場合は、症状が軽くなる事もあります。

安静にしてまったく動かさない

患者さんからしてみれば、痛い首は安静にしておきたいと思う所ですが、首をまったく動かさないという事は、寝違えにとってはNGになります。

朝の凄く痛い時や、激痛が走っている時に動かせとは言いませんが、ちょっとでも痛みが落ち着いて動かせるなら、その範囲内では体を動かしてあげる事が大切です。

また、これは私の臨床上の経験からですが、「一時的によくなったけど再び痛くなった」という方の中には、首をまったく動かさなかったがために、関節が固まってしまい、痛めてしまったというパターンもあります。

安静にしていれば体は治ってくれそうに感じますが、寝違えの場合は注意しなければならないのです。

過度に不安や心配をする

症状で苦しんでいる時にはやむを得ない話でもありますが、寝違えは、過度に不安や心配をしてしまうと、余計に症状が強くなってしまう場合があります。

寝違える→痛くて動かせない→不安・心配になる→心理的な緊張で体が固まる→更に痛みが強くなる→より不安や心配が強まる

このように、人は何かの症状を抱えると、心理的な問題と構造的な問題が絡み合いやすくなります。

それがひどくなってしまうと、症状の悪化をつながるのですが、寝違えが悪化してしまった方を見ていると、だいたい構造的な体の問題と「首が動かせない」という心理的な不安が合わさって、ガチガチの状態になっています。

ここまできてしまうと、普通の手技療法では体が反応しませんので、心の緊張と体の緊張とを切り離すような、特別な方法を使う必要があります。

整体や接骨院に行ったのに悪化してしまった場合は?

患者さんの中には、整体や接骨院に行って施術を受けたのに、症状が悪化してしまった方もいるかも知れません。

そのような場合は、主に2つのパターンが考えられます。

関節や筋肉に負担がかかってしまったパターン

1つ目は、痛い所を強く揉まれたり、刺激の強い手技を受けてしまった時によく起こるパターンです。

これは単純に揉み返しのような症状が出てしまった可能性もありますが、それ以外にも、本来原因ではない所に刺激が加わってしまったために、負担がかかってしまった可能性もあります。

人間の体はどこか一箇所が歪んでしまうと、バランスを取ろうとして、必ず別の場所にも歪みを生じさせます。

よくあるパターンとしては、腰や骨盤が歪んだ事で背中が歪み、その歪みを代償するように首や肩が歪むパターンです。

このような場合は、例え首周りに症状があっても、腰の歪みを代償しているだけですので、実際は首や肩には問題がない場合があるのです。

問題がない所に強い力でマッサージなどをしてしまうと、筋肉や関節に過度の負担をかけてしまうため、症状が悪化してしまう可能性があります。

※基本的に、ソフトな手技で悪化する事はほとんどないと思います。

実は改善に向かっていたパターン

2つ目のパターンとしては、痛みや症状が強くなったと感じいても、実は改善に向かっていたパターンがあります。

これは症状の出方を見ればわかるのですが、痛みの出る場所が変わっていたり、痛みの質や感じ方に変化が起きているなら、こちらのパターンである可能性があります。

例)最初は首を左に曲げる時に痛みを感じていたが、今は首を前に曲げると背中に痛みを感じる。

このように、最初と症状が変わっているのであれば、元の部分は改善している可能性があるので、体はしっかりと変化している証拠です。

ではなぜ、「寝違えが悪化した」と感じてしまうのかと言うと、それは今まで痛くなかった所に痛みが出てしまったり、新たな症状が出てしまう事があるからなのです。

これは体が悪い方の場合は仕方ないのですが、人間は1番悪い所を強く感じるという性質があります。

手技によって元々症状を出していた部分が改善されると、別の所にある問題を途端にクローズアップしてしまいますので、「悪化した」と勘違いしてしまうのです。

そのため、もし悪化していないか心配になってしまった時は、以下のポイントを注意して観察してみてください。

  • 痛む場所は動いているか
  • 痛みの感じ方は変わったか
  • 痛みの強さは変化したか(できれば数字を付けて評価)

これらをチェックして変化が見られるようであれば、症状を強く感じていたとしても、改善に向かっている可能性があります。

体の状態を0か100かで判断するタイプの方は、これらの変化に気づかない事があるので注意が必要です。

寝違えが悪化してしまった時の対処法

寝違の対処法に関しては、首肩寝違えの治し方と対処法についてでまとめてありますので、こちらでは特に症状が悪化してしまった場合に焦点を絞って解説していこうと思います。

しびれや頭痛など寝違え以外の症状が出ている場合

しびれや頭痛は、寝違えにより関節が固まり、神経を刺激する事で引き起こされる場合もあります。

ですが、これらの症状が出ている時は、寝違え以外の可能性もありますので、注意しなければならないのです。

以下のような場合は、他の疾患が疑われますので、一度病院へ行き、しっかりと検査してもらうことをオススメします。

  • 強いしびれが出ている
  • いきんだりするとしびれが出る
  • 頭痛や吐き気、発熱などがある
  • その他内科系の症状がある

など。

軽度のしびれや締め付けられるような頭痛は、関節等の問題から起きている可能性があります。

治療院でも対応は可能ですが、「重大な問題ではない」という安心を得るためにも、一度お医者さんに見てもらう事は大切です。

痛みで動けない時はどうすればいい?

人間は、立ったり起き上がる動作を行う場合、頭を起点にして動きます。

痛みで首を動かせないと、起点となる動作ができないため、動けなくなってしまうのですが、ここまでの症状がひどくなってしまうと、生活に支障をきたす場合が多々あります。

休みでやる事がないならまだいいですが、仕事や学校など、やらないければならない事もあると思いますので、そのような時は、まずは落ち着いて、できることから始めてみてください。

動けないからと言って焦ったり不安になってしまうと、体は敏感に反応してしまいますので、防御反応を引き起こします。

防御反応が起きてくると、更に体が固まって症状が強くなってしまいますので、負のループにハマらないためにも、まずは落ち着く事が大切なのです。

また、人によっては、動けなくてもとりあえずは自分でなんとかしようとするかもしれません。

ですが、悪化して動けなくなるほどの場合は、問題が複雑になっている可能性がありますので、無理になんとかしようとするよりも、プロに相談した方がよいと思います。

原則としては、ひどくなる前に治療する事が大切ですが、悪化してしまった状態でも、様々な状況に対応できるように準備はしておりますので、症状でお悩みならお気軽に相談してみてください。

湿布やストレッチは効果ある?

寝違えが悪化してしまった時は、残念ながら湿布やストレッチの効果は薄いと言えます。

これはなぜなのかと言うと、症状が悪化してしまった時は、だいだい不安や恐怖からくる心理的な緊張が強くなっているので、ちょっと体にアプローチするだけでは、変化が期待できないからなのです。

みなさんも何か怖い場面に遭遇した時に、体が固まった経験はないでしょうか?

寝違えが悪化してしまった時は、まさにこのような状態になっていますので、筋肉や関節がどうこうと言った話ではないのです。

そのため、当然体の構造的な部分に作用する湿布やストレッチは、効果が薄いと言えます。

寝違えが悪化してしまった時の治療とは?

寝違えが悪化した時にまずやらなければならない事は、患者さんが抱える不安や心配を少しでも和らげてあげることです。

「首が大変な事になっていたらどうしよう…」「ちゃんと治るんだろうか」「これからどうしよう…」などという不安で体はガチガチになっていますので、まずは落ち着いて、心理的な問題と構造的な問題とを切り離さなくてなりません。

そのため、もし今寝違えで不安を抱えているなら、どんな些細なことでもいいので、お気軽に相談してみてください。

心の負担が減ってくれれば、それだけでも症状は軽くなったりしますので、自分1人で抱え込まないようにする事が大切です。

心理的な緊張が取れれば、あとは首や背中など、構造的に問題がある部分を整えるだけですので、プロにお任せいただければと思います。

先程も紹介しましたが、当院では首肩寝違えの治し方で治療についてまとめてありますので、合わせて参考にしていただくと、なんとなく治療の流れがつかめるのではないかと思います。