肋間神経痛は、肋骨の下を沿うように走る肋間神経が、様々な問題により絞扼されたり、ウイルスによってダメージを受ける事で起こる症状です。
一度症状が現れると、あまり体験したことのない「指すような痛み」が出てくるので、体に何が起きているのかわからず、心配している方も多いと思います。
世間的にはあまり知られていない事もあり、原因や実際に症状が出てきた時にどうすれば良いのか知らない方も多いと思いますので、今回は肋間神経痛の原因について解説していこうと思います。
肋間神経痛の原因とは?
肋間神経痛の原因は、筋骨格などの構造問題によって引き起こされるものと、ウイルスによって神経がダメージを受けるもの、ストレスや内臓疾患により、神経に緊張が伝わるものなどがあります。
胸椎椎間関節の固着
肋間神経は、胸椎にある「椎間孔」という所から神経を出しているので、何らかの原因で椎間孔が狭くなると、脇腹や胸の前に、神経痛を引き起こします。
特に、胸椎の上関節突起と下関節突起から作られる椎間関節が固くなると、関節が歪み、椎間孔が狭くなるため、肋間神経痛の症状が出やすくなります。
関節が固いままでいると、背骨だけでなく、肋骨の動きも悪くなるので、さら症状を悪化させます。
末梢神経の緊張
絞扼性の肋間神経痛は、ほとんどが胸椎の問題なのですが、たまに胸椎の問題が改善された後も、肋間神経にだけ緊張が残り、症状を出している場合があります。
肋間神経は、肋骨の間を走行しているので、純粋に末梢の神経がダメージを受けたことは考えづらいですが、関節や中枢の影響で一度緊張したものが、そのまま残ってしまい、痛みを出している場合もあります。
ストレス
肋間神経痛には、ストレスも大きな影響を及ぼします。
患者さんを見ていると、強いストレスを抱えている方は、胸椎の柔軟性が失われ、竹のような固さを持った、盛り上がった背骨をしています。
背骨がここまで固くなってしまうと、胸椎は神経を圧迫しやすくなりますし、緊張が緩むこともありませんので、常に肋間神経に負担がかかり、いつ痛みが出ても不思議ではない状態になってしまいます。
解剖学的に見ると、胸部の神経支配には自律神経も関係してきます。
交感神経幹という神経の集まりが胸部にはあり、一部の神経線維が肋骨の間にも向かうので、ストレスを受け、交感神経が緊張すれば、結果として肋間神経を緊張させ、症状を引き起こす事が考えられます。
脊椎・脊髄の問題
脊柱管狭窄症や胸椎椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症などにより、背骨や脊髄周りに異常が起こっても、肋間神経痛は引き起こされる場合があります。
実際上記のような状態になると、他に重篤な症状を引き起こすので、臨床現場ではあまり見かけません。
しかし、解剖学的には十分ありえる話ですので、注意が必要です。
内蔵由来の関連痛
人間は、内臓に何か異常が起こると、その異常を伝える為に、神経を介して脳に情報を伝えます。
この時に、体では内蔵以外の部位からも情報がまとめて伝えられているので、脳が情報を受け取る際に勘違いしてしまい、痛みの原因とは違う場所に、問題があると感じてしまう場合があります。
実際、私が見た患者さんでも、胃の問題で左側の肋間部に、神経痛に似た症状を引き起こしている方がいました。
帯状疱疹による神経痛
帯状疱疹は、神経内に潜んでいた水痘・帯状疱疹ウイルスが、何らかの理由で免疫力が低下した時に、活性化する事で起こる病気です。
小さい頃に「水疱瘡」を経験している方は、ウイルスに感染しているので、大人になってから発症する場合があります。
発症すると、ウイルスが神経の繊維を傷つけると言われていますので、肋間神経が傷つけられた場合は、肋間神経痛を引き起こします。
肋間神経痛になった時はどうすればいいの?
肋間神経痛になった時は、まずは病気の可能性を疑ってください。
動いた時に痛みが出たり、筋骨格の問題でしたら治療院で対応できるのですが、一般の方には区別をするのが難しく、患者さん自身も「何かの重篤な病気では?」と心配されている場合が多いので、病院でしっかり検査を受けると安心できます。
その後、病院で病気の可能性が無い事が確認されれば、後は関節等の問題ですので、当院のような治療院にご相談ください。
ただし、注意しなければいけない点もあります。
いくら筋肉や関節の問題で肋間神経痛が出ていても、むやみに揉んだりする事は、症状を複雑化させ、悪化させてしまう場合があるので、辞めたほうが良いと思います。
治療する際は、神経を圧迫している部分はどこなのか、なぜそのような歪みが出ているのかを把握しないといけませんので、必ず体しっかり見ることが出来る専門家に、相談してください。
当院で対応できるもの
当院で対応できるものは以下の通りです。
- 病院でただの肋間神経痛と言われたもの
- 病気の可能性は無いのに神経痛が続いてるもの
- 姿勢を変えたり、何かの動作で痛みが出るもの
上記に該当するような方は、是非当院にご相談ください。