あなたは怪我をしたわけではないのに、肩の痛みで腕が上がらなくなってしまった経験はないでしょうか?
日常生活では、自分の目線以上に腕を上げる機会は少ないかもしれませんが、洗濯物を干したり、高い所のものを取る時に腕が上がらないと、結構大変ですよね。
重症化して放置していると、ちょっとした動作でも痛みが走ってしまったり、酷いと頭を洗うために手を上げる事すら出来なくなってしまいます。
原因を分析し、適切に対処すれば酷い状態は防げますので、今回は肩の痛みで腕が上がらない時の原因について書いていこうと思います。
肩の痛みで腕が上がらない原因って?
肩や腕が上がらない時は、スポーツで肩を酷使したり、衝撃を受けてしまった場合と、特に肩まわりに負担がかかったわけではないのに症状が出てしまった場合とに分けられます。
こちらでは、特に負担をかけたつもりはないのに腕が上がらない方を対象に書いていこうと思います。
肩まわりの筋肉が緊張している
肩の関節は、大きい可動域を確保するため、関節の溝が浅い構造になっています。溝が浅いため、人は自由に肩を回したり動かすことが可能なのですが、同時に浅い溝は、関節を不安定にもしてしまいます。
その不安定さを補うために、肩まわりの筋肉や靭帯が協調して関節を守っているのですが、疲労により筋肉が緊張してしまうと、関節のバランスが崩れ、腕が上がりづらくなるのです。
もしあなたが、肩を60°くらいまで上げる途中で痛みが出るなら、肩まわりの筋肉は、かなり固くなっている可能性があります。
細かい筋肉としては、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋、三角筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋などが影響を出すので、一つ一つチェックしながら、原因部分を見つけていく必要があります。
肩甲骨まわりの筋肉が固い
肩甲骨の周りにある僧帽筋、大菱形筋、小菱形筋、前鋸筋等の筋肉が固くなると、肩甲骨の運動がスムーズに行かなくなるため、結果として肩や腕が上がらなくなる場合があります。
通常、腕を上げる時は肩だけでなく肩甲骨も一緒に動くのですが、筋肉が固くなってしまうと、肩関節だけで無理に動かさなければいけないため、関節に負担がかかり、痛みを引き起こします。
だいたい60°から120°くらいで腕が上がらなくなってしまう方は、肩甲骨周りをチェックする必要があります。
鎖骨や肩の関節が固い
人間の肩や腕は、関節的には鎖骨と胸骨でのみ体とくっついているため、胸鎖関節や肩鎖関節が固くなっていても、腕を上げる時の障害になる場合があります。
通常の施術では、チェックはしてもそこまでメインに施術する箇所ではないのですが、鎖骨もだいたい45°くらいは回旋運動を行うので、過去スポーツをして痛めた経験のある方や、著しく関節が固くなっている方は、アプローチする事が必要です。
こちらも上記と同様で、60°から120°くらいまでに問題が起こるなら、可能性を考えなくてはいけません。
背骨や肋骨に問題がある
腕を120°以上動かす間に問題が起きている場合は、胸椎や肋骨を主体とした背骨全体の歪みや、固さが原因になっている可能性があります。
患者さん見ていると、肩や腕に問題が起きている方は、必ずと言っていいほど胸椎の問題を抱えています。胸椎が固くなると、肋骨の柔軟性が低下するため、肩甲骨の動きを邪魔し、腕を上げづらいさせてしまいます。
問題が胸椎だけで済めばいいですが、骨盤が歪み、背骨がねじれて肋骨も固くなっているような方は、一箇所施術しただけでは症状は改善しないので、体全体を見ならがらアプローチをしなくてはいけません。
まとめ
肩の痛みで腕が上がらない場合は、腕を外側に上げる時に、どの角度で辛くなるのかによって、原因をある程度絞れます。
0°〜60°で痛みが出るなら、問題は肩まわり筋肉の可能性がありますので、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋、三角筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋などをチェックする必要があります。
60°〜120°の間で痛みが出るなら、肩甲骨周りや鎖骨の関節に問題あると思われますので、僧帽筋、大菱形筋、小菱形筋、前鋸筋、胸鎖関節、肩鎖関節等をチェックしなければなりません。
120°〜180°で痛むなら、胸椎を主体とした背骨全体の問題が考えられますので、全身を見ながら問題点を改善させていく必要があります。
症状が強い方は、これらが複合していたり、肩や腕周りの神経も考慮しなければいけませんので、酷くなる前に、是非当院にご相談ください。